欅坂46トークライブ「~語るなら欅を~」レポートVol.2 バグベア『不協和音』制作秘話

バグベア 欅坂46 不協和音

1月12日に行われたトークイベント『~語るなら欅を~』のレポート第一弾を公開しました。

平手友梨奈 欅坂46

欅坂46を語るトークライブ「~語るなら欅を~」にバグベアが登場!『サイマジョ』制作秘話も公開

2020.01.13

全体像やプレゼン企画についてはこちらの記事にまとめてありますが、バグベアさんが『不協和音』を制作したときの話をもう少し補足しておきたくなりました。

すでにTwitterには投稿していますがTwitterは流れていってしまうので改めてブログにもまとめておきましょう。

バグベア『不協和音』制作秘話

引き留めてまで作った3曲目が『不協和音』

バグベアさん作曲の『サイレントマジョリティー』は裏原宿をイメージした楽曲。

当初は今の日向坂46のようなグループをイメージしたグループになる予定であったことを考えるとサイマジョはグループコンセプトとは違った曲を作ったことになります。

だからバグベアさんとしてもサイマジョが採用されたのは意外に感じる部分があったようです。

デビュー曲が『サイレントマジョリティー』になったことで欅坂46というグループの印象を大きく決定づけたことは間違いありません。

楽曲のかっこよさ、歌詞の強烈さ、センター平手友梨奈の存在感など全てが衝撃でした。

そんなインパクト抜群の楽曲を世に送り出したことの反響は予想以上に大きく、次はどんな楽曲を作ってくれるんだという期待値の高さに苦しむことになります。

たしかに作曲家の立場からすると『サイレントマジョリティー』を超える楽曲でなければ世間が許してくれないというプレッシャーが苦しいことは容易に想像できますが、やはり期待してしまうのも事実でサイマジョの次の曲が期待外れの楽曲だったらがっかりしてしまいます。

坂道グループの楽曲制作はコンペといわれる楽曲のオーディションのようなものに通ったものが採用されるという仕組みで行われています。

欅坂46の4枚目シングルのコンペ提出の締切3時間前。

すでに2曲出来上がっており、この2曲を提出することで進んでいたといいます。

あとは提出するだけなので帰ろうとしていたときに、こぎみいいさんの中で何か湧き出てくるものがあってここみらいさんを止めます。

何時間も楽曲制作をやってきてようやく帰ろうとしたときにここみらいさんを止めようとしたら絶対にキレる展開なのはこれまでの付き合いで分かっている。

それでもここで妥協するわけにはいかない。

何かすごい曲が出てきそうな予感があったから思い切って引き留めた。

普段ならキレるここみらいさんもこぎみいいさんの熱意を感じ取ったのかそのときは残りわずかな時間でもう1曲作ることを承諾します。

そこから作り始めたら一気に曲は仕上がり修正もなし。これが『不協和音』です。

もしも、あのときこぎみいいさんが引き留めていなかったら『不協和音』は誕生していなかったことになります。

このエピソードを聞いたときに秋元さんの著書『秋元康の仕事学』を思い出しました。

夢というのは 、夢のほうから遠ざかりはしないです 。必ず自分のほうが遠ざかるんですよ 。夢は全力で伸ばした手の指先の1ミリ先にある 。
出典:『秋元康の仕事学』

「夢は全力で伸ばした手の指先の1ミリ先にある。」

もう届かない。無理だ。そう諦めそうになったときに最後の力を振り絞って努力できる人間が夢を掴む。そんな意味が込められている言葉です。

1ミリ先だと事前に分かっていれば苦労しません。

1ミリ先なのか、1メートル先なのか、はたまた10キロ先なのか、夢に辿り着く距離が分からないから苦しいんです。

それでも全力を振り絞って1ミリ先に手を伸ばす気持ちがあれば、10キロ先だと思っていたものが実は1ミリ先だったんだなと気づく。夢を掴むというのはそういうものなのかもしれません。

今回のバグベアさんのお話も2曲すでに出来上がっていて、3曲目を作る必要性はありませんでした。

でも、どうしてももう1曲作りたい。ここで妥協したら後悔する。そんな思いがここみらいさんを引き留め『不協和音』が生まれることになります。

こういったエピソードを聞いていると、欅坂46というのはメンバーだけでなく作曲家も楽曲に登場する「僕」のように苦しみもがきながら戦っているのが伝わってきて熱くなりました。

最初は「僕は嫌だ」ではなかった

3曲目制作に取り掛かると一気に仕上がり、結局この最後の粘りが『不協和音』になります。

時間がなかったためこぎみいいさんとしては細部まで仕上がっていない印象で納得できていないというのがすごいですね。『不協和音』なんてイントロ部分からゾクゾクするような始まりで最高じゃないですか。

歌詞は最終的には秋元さんが作詞をしますが、曲を作る際の仮歌詞に関してはこぎみいいさんが作っているといいます。

『不協和音』でもっとも印象的な部分となる「僕は嫌だ」のセリフ部分についても仮歌詞では「僕は嫌だ」ではなかったことを明かしてくれました。

当然秋元さんと完全一致していないのは当然としても、締切ギリギリでサイマジョを超えるプレッシャーを感じながら必死になって作っていたときの心情をそのまま当てはめたと言っていたのでかなり似ているとは言っていました。

曲の世界観を壊さないためにも具体的なワードまでは教えてくれませんでしたが「もう限界だ!」とかそういったニュアンスだったといいます。

『不協和音』は作曲家であるバグベアの二人の精神の限界を越えたその1ミリ先にあった曲なのかもしれません。

『不協和音』を踊る平手の表情や歌詞の攻撃性が印象的ですが、曲を作るのも本当に大変さを聞いたことでさらにこの曲に奥行きを感じるようなってきました。

バグベアこぎみいいの哲学

楽曲制作において注意しているポイントを問われると

こぎみいい:曲を聴いてもらうということは時間をいただいているということ

と語ってくれました。

その人の貴重な時間をいただいて曲を聴いてもらっているのに、1曲の中で退屈な時間があっては申し訳ない。全てのパートで飽きさせないような仕掛けを盛り込んでいるというのです。

たしかに『サイレントマジョリティー』も『不協和音』も一度曲が始まってしまうと、曲の世界観に没頭してしまい退屈することがありません。

もちろんその理由には、欅坂46のメンバーのかっこよさもあると思いますが、作曲家がそこまで聞き手の気持ちを思って作っていることに感動しました。

東京ドーム公演での『不協和音』

東京ドームでの『不協和音』について遠山さんはこのように語っています。

「また見られるという思いと死んでくれるなよという思いがあった。」

欅坂46を知る前に聞いたら理解できない言葉だったと思います。

普通に考えて1曲披露しただけで人間が死ぬことなどありえないからです。しかし、今ならその言葉の意味がよく分かります。

2018年秋から欅坂46を好きになって以降、ライブとなると春のアニラ武道館公演は現場のチケットが取れないだけでなくライブビューイングまで外れてしまったため2019年欅共和国まで待つことになります。

その間、欅坂46のライブといえば欅共和国2017のBlu-rayで見るしかなかったんです。

欅共和国2017で披露された『不協和音』で平手友梨奈は不気味な笑みを浮かべています。

その表情は平手友梨奈の体に憑依した悪魔のようです。

けして演技ではなく、本当に何者かが乗り移ったような表情に感動と共に背筋が凍るような怖さを感じたのを覚えています。

そしてその感動はいつしか「また憑依した平手友梨奈のパフォーマンスを見てみたい」という欲求に変わります。

しかし、ケガにより満身創痍の体であること、精神的なダメージも大きく回復するのに時間を要する可能性が高いこと、などのリスクを考えると欲求だけで『不協和音』を見たいとも言えないことは分かっていました。

『不協和音』をやった反動で平手の姿を見られなくなるなんて望んでいません。

見たいんだけど、怖さもある。でも見てみたい。

この矛盾する感情のことを遠山さんは語っていたんだと思います。

『不協和音』を全力でパフォーマンスしているときの欅坂46は、まるで楽曲を表現できるなら命だって惜しくない。そんな鬼気迫るものを感じます。

今回のイベントで『不協和音』の制作過程を聞いて『不協和音』のパワーの源は「作曲家の魂が乗り移っているから」という部分もあるんだと思います。

作曲家の魂と欅坂46メンバーの魂と秋元さんの強い歌詞が融合した『不協和音』が見ている私たちの魂を揺さぶるのは当然なのかもしれません。

まとめ

時間が経つと思い出すものもあって補足レポートでした。

どれも貴重なお話ばかりだったのでチケットが取れて本当によかったなと思います。

遠方の方やスケジュールの都合もあって参加できなかった方もいると思うので、少しでもイベントの内容が伝わればいいなと思ってレポートさせていただきました。

ぜひVol.1の記事を合わせて読んでいただくとイベントの詳細が分かりやすいと思います。

東京ドームライブの映像をしっかり見直して次回のイベントで語り合えることを楽しみにしています(*^▽^*)

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ABOUTこの記事をかいた人

アイドルブロガー&ロボホンオーナーのはやけん。です。 アイドルの心理を研究しているうちに心理カウンセラーになってしまいました。現在はアイドルの記事を中心にブログを書いています。 執筆の依頼はお問い合わせフォームからお願いします。