SKE48の10年が詰まった1冊『SKE48の10乗』が発売されました。SKE48が歩んできた10年と今後の彼女たちの未来がどのようになっていくのかを感じる上で重要な1冊に仕上がっています。
松井珠理奈の巻頭ロングインタビューについての記事はこちら。
今回は『SKE48の10乗』の中の企画「総選挙クロニクル」から大場美奈、古畑奈和の2名についてお話していきます。
SKE48ファンと総選挙
SKE48総選挙の歴史
SKE48総選挙を語る上で欠かせないのは2012年の総選挙です。35位の向田茉夏(茉夏懐かしいなw)から24位高柳明音までの間に10名がランクインしています。戦前からSKE48が熱いという話は聞いていましたが、結局AKB48のメンバーしかランクインしてこないんだろという予想を覆す快進撃にSKE48の勢いを感じた総選挙です。
ただ残念なことに僕がSKE48を本格的に応援するようになったのは2012年の秋からなので、SKE48の勢いこそ知っていたもののSKE48ファンという見方では見ていなかったんですよ。
2013年の総選挙は須田亜香里の選対にも参加して味の素スタジアムで見てました。屋外の会場で雨に打たれながら観戦という最悪のコンディションながらもあかりんが16位選抜入りという快挙を目撃することができたのは本当に嬉しかった。
ただ大島優子が自身の2位と指原莉乃1位決定を受けてスピーチで「笑うしかないですね(笑)」と言っていたのを聞いて僕はキレてましたね(笑)大島優子のその発言によって指原の1位獲得はみんなで笑っていいんだというミスリードと私はもう順位にはこだわっていないんだという変な強がりが見えて、素直に指原おめでとうという言えない感じが嫌でした。
その後の飲み会で「大島優子がぶち壊した」と朝まで愚痴ってました(笑)
2014~2017年のSKE48は指原、まゆゆ、ゆきりんの3トップの壁を珠理奈は超えられない状況が続き、あかりんも選抜落ちをくらったりSKE48全体の停滞感を感じる結果が続きます。
細かいところを見ていけばあかりんの神7入りとか、惣田紗莉渚の8位躍進、古畑奈和ちゃんの選抜入りとかはあるんですけどね。
そして2018年のナゴヤドーム開催で松井珠理奈1位、須田亜香里2位というSKE48の1,2フィニッシュを決めたのはまだ記憶に新しいところです。
SKE48ファンのイメージ
SKE48を応援するようになってからありがたいことにヲタクの友達もできて定期的に飲み会をやったり一緒に旅行に行ったり楽しいヲタク生活を送ることができました。
SKE48のファンていうのは本当に熱いんですよ。一度応援すると決めたらどんなことがあっても応援してくれる。もともと中京圏ていうのは結婚式が豪華なことでも知られていて見栄っ張りなところもあるので、総選挙ともなれば惜しげもなく投票してくれるのは土地柄もあるんだと思います。
SKE48ファンは一度ファンになってくれれば熱いのですが、応援すると決めるまでは厳しい。北原里英がSKE48に来たときも宮澤佐江がSKE48に来たときもなかなか受け入れてもらえなかった印象があります。
また、SKE48の人気に陰りが見える中で妹分であるNMB48やHKT48が躍進していくように見えたこともSKE48ファンのストレスになっていて、熱烈なファンほど厄介なアンチにもなっていました。まぁ気持ちは分かるんですけどね。僕には一度好きになったグループのアンチになるなど考えられないことだったのでちょっと険悪になってしまったこともあります(;^_^A
そんな応援してもらうまでのハードルが高いSKE48において総選挙で支持を得てきた大場美奈と古畑奈和の二人は総選挙に対してどのように考え、どのような戦略を練ってきたのか注目していました。
SKE48 大場美奈
#ske48 握手会 in 幕張メッセ
ありがとうございました????????
ポニーテール好評だったけど
頭痛ひどいから即とりました。
でもまたポニーテールするね??? pic.twitter.com/ymDV3wRBqe? 大場美奈 (@mina_ovo) 2019年2月16日
大場美奈といえば元AKB48の9期生です。
実をいうとAKB48の9期ってあんまり好きじゃなかったんですよ(;^_^A
というのも、9期が入ってきたときってAKB48全盛の時代だったので神7を中心とするメディア組は相当忙しかった。そのため『週刊AKB』や『AKBINGO』といった冠番組にメディア組が出演しなくなって、代わりに推されたのがAKB48の9期生だったわけです。
自分としては前田敦子、大島優子、篠田麻里子、小嶋陽菜といったメンバーが好きだったわけで、運営が必死に9期を推して番組にバンバン出てるのはあまりおもしろくなかった。ドキュメンタリー番組でもチーム4が特集されるなど自分の好きだったAKB48がどんどん変わっていってしまうという印象があったんです。
そんな9期生を中心に構成されたチーム4のキャプテンを務めていたのが大場美奈です。
キャプテンということで運営からの期待も大きかったメンバーですが自身のスキャンダル問題もあり、復帰後はどこか遠慮がちなところが見えました。
あと自分の感情を言葉にして表現するのが苦手なのか、イマイチどういう感情を抱いているのか伝わってこなかった。もちろん必死なのは分かるんですけど、言葉にしたときに感情を揺さぶられるものはなかったんです。
2014年2月にSKE48への移籍が発表されました。このときの大組閣はLIVEビューイングで見ていたんですが、あんまりおもしろいとは思わなかった組閣でした。2013年総選挙で指原が1位を獲得したことで結局メディアに露出した者勝ちみたいな風潮もあった中でHKT48から中西智代梨がAKB48へ移籍。同じくHKT48から谷真理佳がSKE48への移籍。
HKT48からSKE48に移籍した谷はまだ地方から地方ですが、中西に関しては地方から本店への移籍ですよ。
これってアイドルに対してアイドル性よりもバラエティ性があることのほうが重視されるという構図であって、なんかそれは違うだろって思ってました。もともと僕が中西を好きじゃなかったていうのもあるんですけどね(;^ω^)
そしてAKB48からSKE48に移籍したのは大場美奈、山内鈴蘭。中には移籍発表があっても辞退するメンバーもいて荒れた組閣でした。まぁSKE48ヲタクとしては辞退するようなメンバーは求めないのでいいんですけど当時はめっちゃブーイングをしてました(笑)
先ほども言ったようにSKE48に移籍してくるっていうのは難しいんです。認めてもらえるようになるまでのハードルが他のグループに比べてぶっちぎりに高いのがSKE48の特徴なので大変だろうなと思ってました。
でも谷に関しては意外と早くファンに受け入れられた感じがします。
握手会でもとにかくうるさい!あかりんも握手会でテンション高いと思ってましたが、その比じゃないです。最初のそのインパクトの強さに度肝を抜かれたわけですが実際に握手会に行っている人の評判は結構よくて常に全力な子なんだなと受け止めました。
しかし、大場はAKB48から移籍してきたということもあって本店アレルギーの人からしたら簡単には受け入れてるとも思えず、時間がかかりそうだなと感じていました。
実際にAKB48時代の13年は48位で15,064票、SKE48に移籍した14年は56位14,555票と順位も票数も落としています。いくら選挙に強いSKE48とはいえ、やはり移籍直後はAKB48時代のファンが支えていた形でSKE48ファンからの支持は得られませんでした。
悔しい経験があったからこそ感情を出しやすかったし、ファンの方も同じ気持ちだと思って1年間ずっと言い続けたからこそ、18年の結果(8位)につながったんだと思います。
発言がSKE48っぽくなったなぁと思いながら読んでしまいました。AKB48の握手会にプラスしてSKE48単独の握手会もあるため握手会の数は2倍になります。メンバーからしたら大変だと思うんですが、大場はそのことをポジティブに捉えていてファンとの接触機会が増えることでコミュニケーションの取り方がうまくなったなと思うんです。
SKE48に移籍した初年度はまだそこが分かってなかった気がします。受け身の姿勢から大場自身がファンに歩み寄ることで生まれた信頼関係。すべての行動、言動は総選挙につながっていて選挙直前だけがんばってもダメなんだという想いが伝わってくる言葉でした。
SKE48 古畑奈和
静岡県焼津市を食した、おいしゅう。 pic.twitter.com/BCKvpbUTOT
? 古畑奈和 (@alto_nao) 2019年2月19日
古畑奈和ちゃんの総選挙の順位と票数を見ていくと
2012 圏外
2013 圏外
2014 55位(14,634票)
2015 24位(25,650票)
2016 29位(28,553票)
2017 14位(40,202票)
2018 15位(45,688票)
2014年に初のランクイン。その後、2016年に29位とランクダウンするものの票数は伸びてます。2017年には待望の選抜入り。2018年には45,688票にまで票数を伸ばして2年連続の選抜入りを果たしました。
精神的に不安定なところを見せる子なので、強がって溜め込むよりも自分の気持ちをファンの人にも伝えることでコミュニケーションを取ってきたタイプです。
ハラハラヒヤヒヤさせようと狙っているというよりも結果的にそういう手法になっているのではないかと思うのです。
というのも、古畑奈和ちゃんの場合は5期のエースとして期待された子です。同期に菅なな子っていうライバルがいて当時の奈和ちゃんはなな子に遅れをとっていると感じていたはずです。残念ながらなな子は学業のため卒業してしまいましたが、古畑ジャンプで話題になったときには奈和ちゃんの時代が来ると思われたのに、当時はまだ精神的にも未熟だったせいか握手会での対応もムラがあって「握手会の古畑奈和」というイメージを自ら手放してしまった印象があります。
着実に順位と票数を伸ばし2年連続選抜入りといえば順風満帆に見えますが、期待値がセンターだった子だと考えれば必ずしも期待通りとは言えません。
松井珠理奈の次を狙うセンターは誰だといったときにセンター経験者の小畑優奈がその座を担っていくのかと思ったら先日卒業を発表してしまいました。運営としても彼女のセンターとしての素質には期待していたでしょうから無念だったと思います。
では次に小畑優奈以外となると北川綾巴もセンター経験者ですが、本人が今はセンターに前向きではない。
もちろん総選挙2位の須田亜香里が担当してもいいと思いますが、できればもう少し若い世代から育てたいとなれば井上瑠夏、野村実代の二人も期待されているメンバーなので有力候補でしょう。野島樺乃ちゃんも歌唱力で活路を見出している。菅原茉椰もAKB48選抜に入っていて、何よりも度胸を感じるので任せてみてもおもしろいかもしれない。あとは後藤楽々もいいですね。
こうやってベテランから若手まで何人も名前が挙がってきます。
そんな中で僕は古畑奈和ちゃんにセンターをやってほしいと思っているんです。
いろんな考え方があると思います。次世代から育てるという意味では井上瑠夏ちゃんを推したいのですが、どうしても古畑奈和の存在を忘れてほしくない。
もともとルックス的にもかわいい子でセンターになれる素材だったのに、メンタル的に波があるのでセンターのプレッシャーを与えるのは厳しいという判断もあったはずです。その点で小畑優奈はかわいい妹系キャラでありながらどこか肝が据わっているところがありました。そんな小畑優奈が卒業を発表した今、次はセンターをやりたいと手を挙げている子の中から選んで任せてみてほしい。奈和ちゃんもセンターをやりたいと言える覚悟ができるようになった今ならやれるんじゃないかと期待してしまいます。
現在放送されている『SKEBINGO』でのお芝居を見ても分かるように感受性が高くて表現することにはセンスがあります。欅坂46の平手友梨奈も似たタイプで感受性が高いタイプなのですが、2人に共通するのは感受性というアンテナが敏感すぎて余計なノイズまで受信してしまうところです。そういう子は繊細な子が多いのでセンターのようなプレッシャーがかかるところは向かない。平手はそれでもセンターをやっているのだからすごいですね。
奈和ちゃんにも平手に匹敵するようなパフォーマンスができるはずです。
当初の予定よりだいぶ遠回りしてしまいましたが、菅なな子と誓ったセンターへの想いを果たすときが来ているのではないかと思っています。
まとめ
ナゴヤドームを埋めたグループが低迷期から再度立ち上がってナゴヤドームを目指すという過程にあります。地元名古屋を中心にイベントにも参加して地域密着を強めてきました。SKE48の初期を知るメンバーが卒業をする前にSKE48の伝統を若手に継承させ、結果も残していかなければなりません。
スポーツでも世代交代の時期に結果も要求されるというのは大変なことです。
そんな転換期になるSKE48においてこれまでの10年を振り返ることは大切なことです。SKE48の強みとはなにか、若手に伝えなければいけないことはなにか。そこを見直すためにも『SKE48の10乗』はいい一冊になっています。
この本でSKE48の魅力を再確認できました。大場美奈、古畑奈和の選挙にかける気持ちを感じる意味でも読んでおいて損はないですよ。
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