欅坂46新曲『黒い羊』MV考察Vol.9 新宮良平監督が『BRODY』で作品の意味を徹底解説!

欅坂46

2月27日発売の欅坂46新曲『黒い羊』MVが解禁されたのが2月1日です。まだ1か月も経っていないのですが、その難解なストーリー構成に観た人それぞれに解釈ができる内容からいろんな考察がされています。

自分が書いたMV考察記事はこちら。

欅坂46『黒い羊』MV解禁!ストーリーの意味の考察とセンター平手友梨奈演じる僕について

2019.02.01

多くの方から様々な解釈のコメントをいただきありがとうござました。

2月23日発売の『BRODY』4月号ではMVの監督を務めた新宮良平監督が『黒い羊』MVを解説してくれています。

もちろん監督が意図した世界観と違う受け取り方をすることも自由ですから、今回のインタビュー記事が答えだとは思っていませんが新宮監督のインタビューから見えてきたMVの解釈を今までまとめてきた自分の考察と重ねながら読んでいました。

『黒い羊』の黒い羊と白い羊の先を描いている

『黒い羊』のMVを見たときに平手演じる僕がメンバーをハグするシーンに違和感を覚えたんです。なぜなら『黒い羊』の歌詞を読んだ世界観と違ったからです。

反対が僕だけなら いっそ無視すればいいんだ
みんなから説得されるほうが居心地悪くなる
目配せしてる仲間には 僕は厄介者でしかない

欅坂46『黒い羊』歌詞より引用

歌詞では説得なんてしないでいいから僕のことはほっといてくれ!と他人からの愛を拒絶する人間性が書かれています。しかし、MVに登場する僕は積極的に他人の人生に踏み込んでハグをもって救おうとしている。僕の人格が真逆に感じたのです。

この点についてはインタビュー記事を読んでいくと新宮監督はこのように語っています。

歌詞のままにMV映像を構築してしまうと、実はこれまでのMVと大差ないものになってしまう恐れもありました。だから、楽曲の先にあるものを映像で描きたかった。

『BRODY』4月号より引用

新宮監督は歌詞の世界観をそのまま表現するのではなく、その先を見据えた世界をMVで描いたというのです。黒い羊と白い羊と分かれてしまった理由はお互いが分かりあおうとしないことにあると考えた新宮監督は、いっそ無視すればいいんだという歌詞の世界観ではなく、その先にある黒い羊と白い羊が分かりあえる世界観を表現したというのです。

この解説を聞いてMVの世界観がようやく腑に落ちました。歌詞の世界観が真逆の世界観になっているのは表現している時間がMVでは歌詞の先にあるからなんですね。ここが分かると歌詞とMVを違和感なく見ることができるようになります。

事故現場は精神的な死を表現したメタファー

MVのストーリーについても聞きたいんですけど、最初に事故現場のシーンから始まりますよね。

新宮:あれは平手さんが死んだ、もしくは死にかけていることを表現しています。勿論、本当に死んでいるわけじゃなくて、”精神的な死”のメタファーだということです。どん底から“僕”が他人とぶつかり合う勇気を得ていくストーリーにしたかった。他人と抱き合うことで生きる意味を悟っていく。

『BRODY』4月号より引用

新宮監督は精神的な死のメタファーだと言っています。メタファーとは明確に表現しない比喩表現を指します。自殺現場が平手自身を表現していることは結構分かりやすい部分なので、ファンの考察を読んでも平手自身が死んでいるんじゃないかという意見は結構ありました。

監督は精神的な死と言っていても肉体的な死だと感じたのであればそれも正解だと思います。亡くなってしまった平手がまだ命がありながら死んでしまいたいと願う黒い羊たちを愛を持って救うというストーリーもありです。

では、新宮監督がいうように精神的な死であって肉体的には生きているのだとして見ていったとしても、平手は愛を持ってメンバーたちを救い、MVの最後に見せた必死になって生きようとする目は絶望よりも生きることへの執着を感じました。死というどん底から抱き合い愛を感じることで生きる意味を感じられるようになったと思えば『黒い羊』が表現する世界観をもう少し希望を感じられるのではないでしょうか。

彼岸花の意味

平手さんが彼岸花を持っているのは、どういう意図なんですか。

新宮:たくさんの花言葉を持つ美しい花ですよね。“僕”から“僕”にむけての弔いという意味もありますし、「“僕”の心に宿る灯火」という意味でもあったりします。だから平手さんにも、この花は“僕”の心だと説明しました。

『BRODY』4月号より引用

平手は最初から彼岸花を持って登場します。でも2階では持っていない。3階では再び持っている。

彼岸花にはどうしても不吉なイメージが付きまとっている花で単純に花言葉だけを当てはめるわけにはいかないんです。彼岸花を持っているから平手自身が死んでいるんじゃないかという解釈をしたくなったぐらいです。

ただ新宮監督の解説を聞くと彼岸花の不吉なイメージよりも心情の変化を花という道具を使って表現したかったという意味合いのほうが強かったようです。

「僕の心に宿る灯火」といっていますから生きることへの「情熱」であったり「希望」といった想いを彼岸花に託しているようです。

幼少期の僕が誕生日を祝ってもらうシーンの意味

すごく印象に残ったのが、幼少期の“僕”が家族に誕生日を祝ってもらうシーンです。あれは何だろうと。

新宮:元々このシーンはなかったんです。そしたら平手さんが「幸せを感じるものが少しあった方がいい」と。その話を聞いて「すごい子だな」と思いました。

『BRODY』4月号より引用

映画『響』でも無感情な天才女子高生という設定が強く出すぎていると感じた平手は、友達の勧めでゴスロリの格好をして表彰式に行くシーンと同級生と動物園で遊んでいるシーンがあったほうがいい監督に進言しています。

このシーンがないと平手友梨奈演じる鮎喰響は無感情な天才という感じで人間味を感じない作りになってしまう。怪物を見ても観客は感情移入できないですよね。どこかに人間味を感じて共感できるものがあるから惹きこまれる。

実際に映画を見ましたが平手が進言したシーンはあったほうがよかったなと感じました。僕は平手のファンなので単純に平手のかわいいシーンが見られて嬉しいっていうのは当然あるにしても、そういった感情を差し引いてもよかったシーンでした。

今回の『黒い羊』でも幸せを感じるシーンの追加を進言して幼少期に誕生日をお祝いしてもらっているシーンが加えられました。『響』に関しては人間味があるシーンの追加によって感情移入ができるようになって全面的に賛成なのですが、『黒い羊』に関しては幸せさなシーンを描くことで、その後に続く不幸な家族と罵声を浴びせる大人の間を抜けて行って「全部僕のせいだ」に繋がることを考えると残酷さを強調していますよね。

幸せなシーンの挿入は、その後に続く絶望への前フリにすぎないと考えればMVの世界観としては正解でも、あまりにも残酷に見えて「さすが平手友梨奈」と絶賛していいものなのか自分の中で整理がつかずにいます。

まとめ

今回紹介した部分以外にも新宮監督は多くの解説をしてくれています。

自分の考察と監督の解釈が一致しているか答え合わせをする気分で読むことができておもしろかったです。ただMVを自分のように考察していない人にとっては難しく感じる内容かもしれません。1回読んだだけではピンと来ない箇所もあると思うので記事を読んでから再度MVを見直してみるとMVの深い世界観を感じることができると思います。

今回はメンバーのインタビュー記事も多いし振付師のTAKAHIRO先生のインタビュー記事もあるのでこれは欅オタクとしてはお得な一冊になっていると思います。

欅坂46『黒い羊』MV考察Vol.10 平手友梨奈が発売記念SHOWROOMで解説!

2019.02.27

欅坂46『黒い羊』MV考察Vol.11平手友梨奈が市川染五郎との対談で振付の意味を解説!

2019.03.23

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心屋認定心理カウンセラーのハヤケンです。 アイドルの心理を研究しているうちに心理カウンセラーになってしまいました。現在はアイドルの記事を中心にブログを書いています。 執筆の依頼はお問い合わせフォームからお願いします。