『ROCKIN'ON JAPAN』10月号に別冊として平手友梨奈の写真とロングインタビューが掲載されています。
前回の記事では前半部分を考察していきました。
今回は後半部分です。
インタビュー記事を読んでの解釈はそれぞれが感じたままでいいと思うので、この記事の解釈は「そういった読み方をする人もいるんだな」ぐらいでいいと思います。
あまり発信しない平手のインタビュー記事を読むことはファンとしては握手会で会話をするようなものですね。
それでは後半の考察いきましょう。
ずっとぐちゃぐちゃでしたよ(笑)
平手友梨奈、初めて明かす19歳の胸中。演じるということ、音楽への思い、「表現」、そして今だから話せること―― #平手友梨奈 https://t.co/i0UiSAXT5e
? rockinon.com (@rockinon_com) August 28, 2020
「いや、意外とずっとぐちゃぐちゃでしたよ(笑)」
●これまではぐちゃぐちゃのときはぐちゃぐちゃのまんま人前に出てきてたよね。でも、今回はぐちゃぐちゃした何かを自分の中で受け入れながら動けたんじゃないの?
「ああー、そうですね。それもあるし、あとはやっぱり周りの人のおかげですね。だから、自分が変わったというより、環境が変わったからなんじゃないかなと思います。環境とか、近くにいるスタッフさんとか身近な人のおかげなんじゃないかなと思う」
ROCKIN'ON JAPAN (ロッキング・オン・ジャパン) 2020年 10月号から引用
ここでいうぐちゃぐちゃというのは気持ちの整理ができない状況を指しているのでしょう。
平手の性格からして整理が付くことはないと思います。だから、ずっとぐちゃぐちゃしてる。
でも小栁さんのいうぐちゃぐちゃの中で今は自分の中で受け入れながら動けているという見方に対して平手も納得しています。
そうですね、自分もこの点には納得です。
平手のことをプロ意識が高いといえば聞こえはいいですが、悪い言い方をすれば融通が利かないとも言えます。
多くの人が大人になるにつれ自分自身の感情よりも組織の理論を受け入れながら生きていきます。
会社的にはこういう見解ですが私個人としてはこういう考えですって言い始めたら仕事になりませんからね。
ただ難しいのはこういう大人の理論に染まっていくことに勇気をもってNOと言ってしまうのが欅坂46であり平手友梨奈じゃないですか。
日常では言えない鬱憤を代弁してくれる欅坂46や平手友梨奈が妥協し始めたらもうそれは魅力的じゃないですよ。
だからこそ納得いくまで戦うわけですが、戦うって簡単なことじゃないので何が正解なのかを考え始めたらもう頭はぐちゃぐちちゃ。
しかし、最近の平手は以前に比べると動きながら考えることができるようになったように思います。
小栁さんは今の平手を見て感じているようですが、自分は長期休養期間に『響』の撮影を経て欅坂46に復帰したところから変化が見られるようになったと見ています。
昨年春のロッキンインタビューで平手は欅坂46への復帰に対して「恩返し」と繰り返し語っています。
映画『響』の撮影を経て自分にとって欅坂46というグループの存在がどれだけ大きなものか痛感して、恩返しをしない限り辞められないと思ったんです。
恩返しするためなら自分が傷つくことも、多少の譲歩は仕方なしと覚悟を決めた気がするんです。
復帰後の平手はケガの影響で思うようなパフォーマンスができないことはあっても精神的な不安定さは見せなくなりました。
少なくとも今できる全力で表現しているように見えました。
以前は100%満足するものしか受け入れられなかったのに、少しずつ100%ではなくても今のベストを尽くすしかないと受け止めていった感じです。
この感情の変化をもって妥協だと言うでしょうか。
そんなことはありません。世界新記録が出なかったレースは無駄だったといったら出場するレースのほとんどは無意味になってしまいます。
理想ばかり掲げて身動きが取れなくなるよりは、ぐちゃぐちゃした自分を受け止めながら前に進む。
それは平手友梨奈の成長と言わずしてなんというのでしょう。
この成長に関しても周りの人のおかげと言っているあたりも平手らしいですね。
平手友梨奈はめんどくさい人間?
私も、ほんとに人に心を開くのに時間かかるし、早い人には早いし、時間かかる人にはかかるし、でも開いたらすごい話すしっていう感じだから、難しいよなぁって。面倒くさい人間だよな(笑)
ROCKIN'ON JAPAN (ロッキング・オン・ジャパン) 2020年 10月号から引用
めんどくさくないよ!と条件反射のように否定したいところですが、それはタレントとファンという距離感だから成立するのかもしれません。
仕事を一緒にやるとなったら締切が迫っていても納得しなければ動かない平手はめんどくさい存在と思う人がいてもおかしくないですね(笑)
でも平手の性格を知れば知るほど心を開くのに時間がかかるのはしょうがないことです。
Vol.1の西洋占星術で平手を見たときの部分での述べたように、感受性の豊かさは諸刃の剣で普通の人ならスルーできるノイズまで受信してしまうところがあります。
人見知りといえばそれはイコールで短所と思われがちですが、感受性が豊かな人は傷つきやすいですから相手が自分の味方なのかを見極めてから自分の出方を判断しようと思うのは至極当然の判断なんです。
心理の世界にはHPS(Highly Sensitive Person)と言われる人がいます。
いわゆる繊細すぎる人を指していて、HPSの人は他人の感情さえも自分の感情として受け取ってしまう傾向があります。
近くで怒っている人がいたり、人混みにいるだけでも精神が消耗してしまうHPSは疲れやすいんです。
おそらくですが平手もHPSに該当するタイプなのではないかと思っています。
以前のインタビューでもなんとなく他人の感情を察することができたことを明かしていて、それは精神的に大人だからだと片付けていたのですが、どうやら精神年齢だけの問題はでなさそうです。
誤解のないように言っておくとHPSは病気ではありません。あくまで傾向の話です。
それこそ豊かな感受性があったから抜群の表現に結びついていると思えば悪い話ではありません。
『あ、名前呼んでくれた』とか『あ、普通に接してくれる』とか、話してくれるだけでありがたいなあと思いますね
ROCKIN'ON JAPAN (ロッキング・オン・ジャパン) 2020年 10月号から引用
ここらへんのくだりめっちゃかわいくないですか(*^▽^*)
名前呼んだだけで感謝してくれるってかわいすぎだろ(笑)
このあたりは特に深く語ることもないので、ニヤニヤしながら何度も読みましょうw
秋元さんに怒られた出来事
『平手のここがよかった』とか、いろいろ言って下さる方はいらっしゃるんですけど、それを素直に受け取れないし、『本当かなあ』とか……。せっかく言って下さった方に申し訳ないんですけど、そう思ってしまう自分がいる。秋元さんにも一回それで怒られて。
ROCKIN'ON JAPAN (ロッキング・オン・ジャパン) 2020年 10月号から引用
自己肯定感が低いのは平手の課題ですね。
これは謙虚を美徳とする日本人の中でも低い。
自分の師匠でもある心屋仁之助は「DoよりもBeが大事」と説きます。
つまり、何をするかよりもどういう状態にあるかのほうが大切だということです。
どれだけいいことをやろうとしても土台が傾いていたら滑り落ちてしまいます。
平手はあれほどの才能を持ちながら驚くほど自信がない。
だから、素直に相手の褒め言葉を受け取ることができず、秋元さんも一言いいたくなったのでしょう。
平手の場合は、謙遜というレベルを超えて褒めてくれた相手の言葉を否定してしまう印象だったから、さすがにそれは失礼だよということだと思います。
「ああー、なんかもう諦めちゃってる自分はいるかもしれないですね(笑)。『結局、みんながわかってくれるわけじゃないし』って、もうそこでシャッターを下ろしちゃってる自分はいるかもしれないです」
ROCKIN'ON JAPAN (ロッキング・オン・ジャパン) 2020年 10月号から引用
完璧主義すぎる平手の性格のデメリットは落としどころが見つけられないことです。
そもそも完璧なことなどありえないのに、高すぎる理想と現実のギャップに落胆します。
こういうタイプにはハードルを徹底的に下げることをまず考えます。
感情が消えてしまった時期から比べれば今は精神的にも安定しているし、ダンスのキレも戻ってきている。もうそれだけで十分じゃないですか。
ハードルを下げて満足しろという意味ではなく、小さな加点を増やした方が自己肯定感が増して結果的にバランスがよくなるということです。
しかし、平手の性格からいってハードルを下げることをよしとするタイプじゃないですよね。
彼女のプライドを傷つけるようなことをしてしまっては逆効果です。
次に考えるのは、あきらめることです。
それこそ妥協じゃないかと言われそうですが、そういうことではなく自分自身の特性を受け入れるということです。
19年も生きていれば平手自身も自分が社交的で楽観的で打たれ強い人間になるなんて無理だなと気づいているはずです。それが「諦めっちゃってる」という言葉に表れています。
中学生、高校生ぐらいまでは無限の可能性を感じていていい。でも学校を卒業して大学生、社会人となる段階においては徐々に自分の限界を受け入れながら自分なりの生き方を見つけていく時期です。
ですから、少しずつ自分にとってこれはもう努力しても無理だなと思うことは諦めて自分はこういう人間だからしょうがないなと受け止める。
褒めてくれた人の言葉は腑に落ちなくてもとりあえず「ありがとうございます」と受け止める。
自分の中で多少しっくりこないことも深読みせず、とりあえずで受け止めるって発想が大切になってくると思います。
平手友梨奈と自己愛
●自分自身すら自分のことを守ってあげられないという、自己愛すらないってことだよ。
「じこあい?」
●自分を愛する、自分をかわいく思う気持ちすらないっていうこと。
「自分を愛する(笑)。え? なんだろ、それどこかにあったな。『自分を愛せ』とか。」
ROCKIN'ON JAPAN (ロッキング・オン・ジャパン) 2020年 10月号から引用
ちょっと平手には難しかったかな。あまり小栁さんの真意が伝わらなかったようです。
自己愛というと印象としてナルシスト的なイメージを持つと思います。自分大好きで鏡をずっと見ていられるような自己陶酔がすごい人ですね。もちろんこれも自己愛なのですが、ここでいう自己愛はもっと広義の意味です。
自分は能力があるのに正当に評価されていないと感じるのも自己愛、ストーカーも歪んだ自己愛で「あなたには私が必要なんです」とか平気で言ってしまうわけです。
このように自己愛といってもナルシスト的な自己愛だけではないのですが、今回小栁さんが言っている自己愛は人間として必要な健全な自己愛です。
自分のがんばりや自分の魅力を自分自身で認めてあげられるようにならないと他人を愛することもできないんです。
だから、自己愛そのものが悪いわけではなく、健全なレベルでの自己愛はあっていいものだと考えてください。
その自己愛が平手にはないというのです。
例えば、誰かとぶつかったときに防衛本能として自分が正しくて相手を悪く思うことぐらいは自然な感情です。それよりも感情を表に出してしまうか、内面に留めておけるかの違いのほうが大きな違いでしょう。
でも平手の場合は、自分を肯定する感情が薄いので自分自身の感情すら信用できていないからややこしい。
頑固で譲らないところとその感情を信じきれないという矛盾する感情の負の無限スパイラルです。こういう答えのない問いかけをすると精神的にとても消耗してしまうんです。
完璧を目指すという絶対的評価も大切ですが、自分なりのがんばりを自分が正当に評価してあげる自己愛も平手にとっては大切な要素になってきそうです。
ブログやSNSについて
ブログとかSNSも苦手だし、やっぱり作品を通して何か伝わるものがあったらいいなと思ってます。わざわざそこまで必要もないのかなあ、って思っちゃうので。細かく説明しすぎたくないんですよ。見た人がそれぞれ感じたものを受け取ってほしいだけだから
ROCKIN'ON JAPAN (ロッキング・オン・ジャパン) 2020年 10月号から引用
たしかにSNSが苦手というのはその通りだと思いますが、ブログに関しては過去の記事を読んでも悪くない記事だと思うんですけどね。
文才がどうこうというよりどうやって受け取られるか考えると、なかなか気が進まないというのが本音でしょう。
ブログやSNSに関しては、得意不得意以前にグループがブログやSNSをやる方針なのであればやらなければいけないものです。
だから、欅坂46時代に関してはブログは個人の意思ではなく強制的に書かせてもよかったのではないかと思っているんです。
しかし、現在はグループから脱退してブログやSNSもやらない環境にいます。
個人活動になったのであればやるもやらないも自由でいいと思うのですが、それは全く発信しなくていいということとイコールではないと思っています。
平手が発信に前向きではないならねるちゃんとこみたいに運営アカウントが告知をする形でもいいじゃないですか。
マネージャーがスマホで平手を撮った写真をアップするとか、コメントを代筆する形でもいい。
正しい表現をしていれば分かる人は分かってくれるという思考に振り切りすぎるのも違うと思っていて、平手にとって負担にならない程度のやり方で発信は必要だと考えています。
本人が細かく説明することで見た人の考えに制限をかけてしまうの嫌うのは平手の性格からしたら納得です。
ただ問題は多くの人間は平手ほど作品を見ても受け取れないんです。それすらも受け手に委ねると割り切れるかどうかですね。
自分の意図することとは違った解釈をされて情報だけが独り歩きしてしまうことで平手の精神的な負担が増えるのであれば、あえてリスクを冒すこともないのかもしれません。
あとはそういった部分とは別に単純にファンは平手友梨奈のことをもっと知りたいと思っているという視点も持っておいてほしいんです。
SNSが苦手、受け手の解釈に制限を加えたくないという平手の気持ちは分かる。
でも、一方で平手の写真1枚が出るだけで平手友梨奈の名前がトレンド入りするほどファンは待ち望んでいるんです。
そうやって考えていくとバランスが大事ってところに行く着くわけで、苦手だから全くやらないと捨ててしまうのはファンとしては寂しいなと思うのです。
もちろん最終的には平手が決めたことを支持する気持ちは変わらないですけどね。
まとめ
前半後半で分けたつもりがVol.2も長くなってきたのでここまでにしましょう。
Vol.3で完結になりそうです。
平手のロングインタビューはまるで平手と会話しているような感覚になれるので楽しく読めます。
基本的な平手の性格は変わらないままで、その中でも少しずつ大人の思考になっているのが読み取れます。
Vol.3もぜひ読んでくださいね。
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