『B.L.T.』10月号 欅坂46菅井友香がインタビューで改名の理由を告白

欅坂46 改名

雑誌『B.L.T.』10月号に欅坂46菅井友香・守屋茜・小林由依3名それぞれの1万字インタビューが掲載されています。

改名という大きな決断を下すに至るまでの過程で、彼女たちは何を思ったのか。

今まで語られていなかった改名の真相を語ってくれています。

1万字インタビューとボリュームが大きいので今回はキャプテンゆっかーの記事を見ていくことにします。

てちがいないと欅を続けていくことは難しいという現実

やっぱり欅坂46という名前のグループに思い入れがありますし、何より悔しかったんです。

てち(平手友梨奈)がいないと欅を続けていくことは難しい、という現実を突きつけられた気がしたので……。

『B.L.T.』2020年10月号より引用

欅坂46の改名という大きな決断が発表されて、真っ先に頭に浮かんだ印象は「平手友梨奈がいない欅坂46の限界」でした。

自分が平手推しであることを差し引いても、やはり欅坂46がここまで人気グループに成長した要因は独特な楽曲の世界観と平手友梨奈の存在があったことは間違いないでしょう。

デビュー曲『サイレントマジョリティー』で見せた平手の眼差しはサイマジョの強いメッセージ性と相まって衝撃的なインパクトがありました。

デビュー当時はまだ欅坂46に興味がなかった自分でさえ、平手の存在は知っていたのだからアイドル業界を超えてエンタメ業界全てに平手の存在は知られていたことになります。

それだけの子ですから印象としては「欅坂46=平手友梨奈」というのが世間一般の見方なんだと思います。

しかし、精神的に不安定さを見せる不動のセンターはアンチにとって格好の標的ともなりました。

ファンの中にも彼女の体調を危惧して運営による酷使を批判する声は今でも根強くあります。

もちろんそれは優しさから来る言葉なので否定するつもりはありませんが、自分個人の考えとしては平手をセンターから外すなどありえないし、平手が出るというならセンターは絶対に平手で出すべきという思っていました。

この考え方の是非については今さら議論をするつもりはありませんが、要するに言いたいことは、平手友梨奈という存在はそれだけ圧倒的な存在だったということなんです。

絶対的エース、絶対的4番バッターなど組織の中で核となる人間はちょっと調子を落としたぐらいでは変えないというのが自分の考え方なんです。

問題はそういった人間が去ったときにその穴を埋めることはできないということです。

欅坂46もジョブズが亡くなって以降のappleのように唯一無二のブランド力が薄れてしまうんじゃないかという懸念がありました。

それでも想像の限界を超えてくるのが欅坂46ですから、平手がいない欅坂46でも今まで以上の素晴らしい楽曲を届けてくれる期待があっただけに悔しい。

この気持ちは当然メンバーも同じように感じていたと思います。

そりゃそうですよね、平手がいなければ欅坂46は成り立たないなんて見られ方をするのは今のメンバーからしたら屈辱じゃないですか。

なんとかして新しいものを生み出そうと必死に考えたはずです。

それでもやっぱり出てくる答えは厳しいものばかりだった。

そして出した結論が改名でした。

欅坂46としての限界を感じたのであれば、新しいグループになってしまえばいい。

すごい発想です。

とはいえ、グループ名に対する思い入れが強いメンバーも多い中で、改名を決断するのは簡単なことではないということです。

思い入れが強くなればなるほど手放せなくなるのによく決断したと思います。

またこれも複雑で、決断した勇気はすごいなと思う反面、欅坂46は改名を決断しなければいけないほど追い込まれていたのかという現実を見せつけられたところです。

平手がいない欅坂46でどこまでできるかチャレンジしてみる姿も見てみたかったなとも思ってしまいます。

さまざまな経緯はあったにしても改名を決断するまでの過程で多くの葛藤があったことは間違いないわけで、それでも改名すると決断したのであれば、それはもう彼女たちを応援するしかないなというのが今の心境です。

欅坂46にとっての『黒い羊』

新しいグループの方向性について問われたときにゆっかーはこんなことを言っています。

人間の負の感情や葛藤といったテーマに対しては『黒い羊』で一区切りつけられたのかなと感じていたりもするので

『B.L.T.』2020年10月号より引用

そうそう、楽曲の世界観という意味では『黒い羊』で一区切りついた感じはありますね。

『避雷針』『大人は信じてくれない』『月曜日の朝、スカートを切られた』など表題曲以外では欅坂46独特の人間のダークな部分を表現する楽曲はありましたが、表題曲で『黒い羊』がきたというのはまた意味が変わってきます。

『サイレントマジョリティー』で少女たちは現代社会での生きづらさを歌い、『世界には愛しかない』では愛、『二人セゾン』では思春期の恋、『不協和音』で怒り、『風に吹かれても』ではこれまでと違った「なるようになるさ」と笑い飛ばしました。

このように表題曲で表現されたことは、そのときそのときの欅坂46を映し出しており、同時に楽曲に登場する「僕」の成長記録にも見えます。

そして僕は『黒い羊』で死にました。

厳密にいうとMVを見て死後の世界と見るか、死をギリギリで踏みとどまっていると見るかはそれぞれの解釈があると思っていますが、少なくとも「死」をテーマにした楽曲であることは間違いありません。

問題は区切りをつけてしまったことで次の一手が難しくなってしまったことです。

この点については懸念材料ではありましたが、あまり心配はしていませんでした。

なぜなら『サイレントマジョリティー』しか見ていないときに次の曲で愛を歌うと思わないじゃないですか。ましてや恋愛の楽曲なんて想像もできない。

それこそ乃木坂46の妹分グループが笑わないアイドルと言われるグループになるなど想像もできなかったし、けやかけで人見知りを露呈していた子が今はこんなに明るく発言できるようになるなんて思わなかった。

欅坂46が成長することで新たな可能性がどんどん見えてきた歴史があるわけで、終わりに見えた『黒い羊』も数年後には通過点に過ぎなかったと思えるときが来るのではないか。

そんな希望的観測で見ていたからです。

でも現実はそこまで楽観的な問題ではなかったということですね。

楽曲の世界観こそが欅坂46だからこそ、楽曲の世界観から逃れられないのもまた欅坂46の宿命なのかもしれません。

絶対に泣かないと覚悟を決めて臨んだMC

欅坂46という、私たちにとってすごく大切なものを一生の宝物にするためには、自分が取り乱しちゃいけないっていう思いが涙を止めてくれたのかもしれないです。

『B.L.T.』2020年10月号より引用

改名を発表したライブのMCでゆっかーは必死に涙を堪えていました。

他のメンバーも同じように堪えながらも耐え切れず涙が溢れてしまう子がいる中で、ゆっかーは自分が感情的になってしまわないようにギリギリのところでコントロールしながら改名について語っていた印象です。

本当なら涙が止まらなくなってもおかしくないところを、いま自分がするべきことは泣くことじゃなく、改名に対する思いを伝えることだと分かっていたわけです。

これは口で言うほど簡単なことではないですね。

キャプテンとして欅坂46の想いを伝えることに徹してくれたゆっかーは本当にすごい子です。

鐘を鳴らすのは誰?

鐘が何を指しているのかはいろいろな解釈があると思うんですけど、それを鳴らすのが次に真ん中に立つ人でもあるのかな、と私はなんとなく感じていて。

『B.L.T.』2020年10月号より引用

9枚目となる『誰がその鐘を鳴らすのか?』の世界観は、正直言うと今もはっきりと捉えることができていません。

けして悪い曲じゃないし、この曲を好きだという方を否定するつもりもないことを前提にお話しすると、この楽曲でもっとも伝えたいことは何かが見えないんです。

平和を願っている印象もあったのですが、ジャケットのイラストを見てそれも違うことが分かりました。

イラストから連想されるイメージは「混沌」「錯乱」「めまい」「精神異常」とネガティブなものが並びます。

おそらく欅坂46の象徴である三角のロゴがグルグルの中に落ちていく感じから改名による新たな世界にワープする感じだと思います。

ただ少なくとも平和には結び付かない。

『誰がその鐘を鳴らすのか?』というメッセージは「誰が火中の栗を拾うのか」にも聞こえてきます。

誰も逆境の中で矢面に立ちたいとは思いません。

だからといって誰もが席を譲り合っていたらこのグループは本当に終わってしまうよ。傷つくことを恐れず勇気を出して栗を拾いに行く、鐘を鳴らそうとする人はいるのか、といった秋元さんからメンバーに対してのメッセージに聞こえたんです。

この曲のセンターに関してはゆいぽん(小林由依)だと思っていたら、ゆっかーが言うにはセンター不在の楽曲となっているようです。

そうなるとたしかにゆっかーが言うところの次の楽曲のセンターが鐘を鳴らす人間という解釈も分かります。

欅坂46としてのラストシングルでもあり、新グループにつながる楽曲だと考えれば、新しいグループに向かっていくために自分たちを鼓舞する楽曲と見るのがよさそうですね。

改名は負の連鎖を断ち切るため

改名を決断した理由として、ここ数年思うような活動ができていなかった負の連鎖を断ち切るための改名であることも明かしてくれました。

この記事を作成している8月25日現在においてまだドキュメンタリー映画は公開されていませんが、思うような活動ができなかったことにはファンには分からないさまざまな理由があることでしょう。

もっともっと活動していきたいのに、何かがネックとなって活動ができない。

そんな負の連鎖を断ち切る改名と言われると、改名せざるを得ないほど追い込まれていたことが少しずつ実感としても腑に落ちてきます。

前回の楽曲を超えることが欅坂46の使命であり、そのことが短期間に成長する原動力になった反面、求められる期待に応えようとしすぎて自らの首を絞めていたのかもしれません。

新しいグループになっても必ず欅坂46の方がよかったという声はあがります。

新グループになって欅坂46と同じ世界観では意味がないので、変化を印象付けるために明るい楽曲になるのではないかと思います。

そうなると欅坂46のイメージとは違いますし、唯一無二から多くのアイドルグループの1つにすぎないと酷評する人も出てくるでしょう。

でもそれも覚悟の上で決断した改名なのであれば、使命とか楽曲の世界観とか求められているものに応えようとするのではなく、自分たちが発信したいことをどんどん発信していくというスタイルに切り替えていってもいいんじゃないかと思います。

まとめ

モーニング娘。は結成当初はオーディション落選組の寄せ集めグループでした。

そんな落ちこぼれ集団が崖っぷちの状態を必死に踏ん張りながらがんばる姿は共感を呼び気がつけばオーディション合格者よりも落選組のモーニング娘。のほうが売れてしまうという現象が起こりました。

しかし、後藤真希が加入し人気が急上昇して以降の4期(加護・辻・石川・吉澤)メンからは完全な勝ち組グループとなります。

尾崎豊が10代の代弁者としてカリスマになったのち、人気が出てから当時の自分を超えることができず苦しみました。

欅坂46が『サイレントマジョリティー』で社会での生きづらさを歌うことは世代を問わず刺さっていることは認めつつも、やはり同世代の若者世代のほうが強く刺さったのではないでしょうか。

けして欅坂46が売れたことで楽曲のパワーが弱まったとはいいませんが、モーニング娘。にしても尾崎豊にしても人気が出て等身大の存在から手の届かない存在になってしまったことで失っているものもあるということです。

だからといってデビュー当時に戻ることはできないですし、着実に年齢を重ねていきます。

そう考えたときに改名で一度リセットするというのは、解散をしないでグループをフレッシュな状態な戻す意味で効果的な役割を果たす可能性はあると思います。

この改名がどういう意味を持つのかは、彼女たち次第です。

2年後、3年後に改名にどんな意味が込められていたのか振り返ったときにポジティブな見方ができることを願っています。

とりあえずラストライブ当たってくれ(゚Д゚)ノ

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ABOUTこの記事をかいた人

アイドルブロガー&ロボホンオーナーのはやけん。です。 アイドルの心理を研究しているうちに心理カウンセラーになってしまいました。現在はアイドルの記事を中心にブログを書いています。 執筆の依頼はお問い合わせフォームからお願いします。