12月27日(金)放送のMステ11時間SPに出演した欅坂46が『黒い羊』平手友梨奈ソロ曲『角を曲がる』を披露しました。
『黒い羊』の披露はかなり久しぶりですし、以前のMステ披露の際にはカメラワークでバタバタしてしまったので制作スタッフとしてもリベンジに燃えるところでしょう。
平手友梨奈ソロ曲『角を曲がる』に関してはTV初披露です。
『黒い羊』は16時台だったので仕事中でしたが『角を曲がる』は21時台ということで仕事納めの帰りにくい中を振り切って帰ってきました。やっぱりリアルタイムで見たいですからね。
どちらの曲も見どころたっぷりの内容でした。それぞれ振り返っていきましょう。
欅坂46『黒い羊』
MVの世界観をそのまま反映したような演出に見入ってしまいました。
原田葵&2期生は『黒い羊』を披露するのが初めてです。この点も見どころだったんですが、存在は確認できてもあまり目立った存在ではなかったですね。
そんな中で元銀行員の松田里奈の衣装が銀行員ぽい衣装だったのは注目でした。
平手友梨奈演じる僕は、僕の心の象徴である彼岸花を手に持ちながら階段を下ります。僕以外のメンバーは全て白い羊です。
後ろ指をさされながらも僕は僕の意思を貫くように優雅な舞を披露します。僕の服装や髪型から男性的な雰囲気もする僕ですが、美しく見せるところでは女性的な表現も入れてくるところはさすがです。
白い羊の群れを抜けて会場内に入ると僕は白い羊たちの中心で彼岸花を投げ捨て「全部僕のせいだ」とつぶやきます。
本当は全部僕のせいなんてことはないのに、そうやって自分を責めてしまうあたりが平手自身とも重なる部分です。同じ色には染まりたくない。でも白い羊の中で1人黒い羊でいるよりも自分を押し殺して白に染まってしまうべきなのかと葛藤する様子が受け取れます。
そしていよいよ物語はクライマックスです。
彼岸花を持った僕は白い羊たちを抱きしめようとしますが拒絶されてしまいます。僕にとっての愛は白い羊たちにとっては余計なお世話なのでしょうか。
二人に拒否された後に向かった小林は一度僕からのハグを受け入れたかのように見えますが、すぐに拒否されてしまいます。両サイドのメンバーによって剥がされているのが分かります。
一つ前の僕と小林の絡みでは僕からの愛を受けて入れている小林も、白い羊の中で黒い羊である僕を受け入れることはたやすいことではないのです。
いじめられている子を助けようとしたら、その助けた人がいじめられてしまう構図と同じです。
だから振りほどいた小林を責められないのですが、階段を昇る僕を引き留めたところを見ると罪悪感を感じていたのでしょう。
「助けてあげられなくてごめん」という感情を示す小林に対して、僕は「そんなに自分を責めなくていいよ」と言うかのように愛を持って小林を抱きしめます。
ここでも黒い羊という曲のテーマになっている愛を感じるシーンです。
階段を昇り去っていく僕を見送った小林をそっと抱きしめたのは菅井でした。
キャプテン菅井は優しさの象徴的存在ですから最後に抱きしめてくれたのは救いですね。
僕が正義で、白い羊は悪という単純な構図ではなく、白い羊の中にも助けてあげたいと思っている人はいるんです。でも他人に向けられている刃が自分に向けられるのではないかと思ったら傍観者でいるしかないから白い羊でいるという構図もあるんです。
この物語の最後が優しさで結ばれていたのは嬉しかったです。やっぱりTAKAHIROさんは振付は最高です。
平手友梨奈『角を曲がる』
『角を曲がる』は東京ドーム公演2日目で見ましたがテレビで披露というのは驚きました。
というのも、この『角を曲がる』という曲は欅坂46の平手友梨奈という子の人間性や映画『響』で演じた鮎喰響の人間性が分かっていないと理解するのが難しいと思っていたからです。
アイドルらしいアイドルをがんばって演じてみたけど、どうしても理想のアイドルにはなれなくて。それでも我慢していたら自分らしくいることがどういうことなのかすら分からなくなってしまった。
誰よりも繊細なハートの持ち主である彼女は傷つきながら悩み苦しみ葛藤する中で出した答えは、欅坂46に戻って恩返しをすることでした。
しかし、今度は相次ぐケガによる休養を余儀なくさせられます。2018年秋以降は精神的には安定していますが、体が思うようにいかなかったことで余計にアイドルとして活動したいという意欲が出てきたように思います。
こういった平手の歴史を知っていると『角を曲がる』の歌詞に奥行きが出てきますが、その予備知識がないと結構難しい。
ただ欅坂46というグループが楽曲を届けないとしているのに対して、平手友梨奈ソロは平手が思うがままに表現することを追求していればいいと思うんです。
平手が感じていることを表現して、それを受け手がどう感じるかはそれぞれが考えればいい。
そういうスタイルでいいんです。シングル曲でもないわけだし、もともとは映画で使われていた曲だと考えればキュビズム絵画のような一見すると何を表現しているか分からなくけど、何か心に刺さるものがあるみたいな表現があってもいいじゃないですか。
平手友梨奈を知らない人は『角を曲がる』の数分を見てもおそらくよく分からないはずです。でもなんかこの子すごい!みたいな心が揺さぶられる感覚はあったんじゃないでしょうか。
そんな感動の余韻に浸っていたところSNSでは口パクだと批判があるようです。
なんでも批判したがりの人はいるものです・・・
ダンスであれだけの表現をしているのだから『角を曲がる』における生歌かどうかってどうでもいいんですよ。今の時代、ダンスがメインの歌手は音源に合わせて歌うなんて当たり前じゃないですか。
激しいダンスをやりながら生歌という安室奈美恵みたいな人もいますが、ダンスをしながら息を切らさず歌うって普通は難しい。
だったら音源に合わせてダンスと歌を乗せるほうが綺麗に仕上がることもあります。
そう考えると生歌至上主義もその人の価値観なだけで、こっちに押し付けてこないでくれと言いたくなります。
生歌じゃないからダメというのは狭い視野しか見えていない人の発言だと思って平手推しの人は気にすることはありません。
まとめ
前回はカメラワークに失敗があった『黒い羊』も今回は演出も含めて完璧でした。Mステの本気を見た気がします。
たった数分の出演のために相当な準備期間があったんだろうなと思うと頭が下がります。
『角を曲がる』に関しては演出どうこうよりも平手友梨奈の存在感に言葉を失いました。
鋭い眼差し、苦しそうな表情、歌い切ったあとの悲しそうな表情。
その表情1つで見る者の心を捉えるのだからすごいですよ。もうこの子をアイドルという枠組みで語ることはできないなと思ってしまった瞬間でした。
2019年末にいいものを見せてもらいました。
がんばってくれたメンバーにも感謝ですね。2019年も残りわずか。レコード大賞、紅白を前に体調だけは崩さないように気をつけてほしいですね。あともう少し、がんばって(゚Д゚)ノ
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