『ROCKIN'ON JAPAN』2019年6月号で表紙を務めているのは欅坂46の平手友梨奈です。
Vol.5はこちらです。
今回は欅坂46ライブの制作に平手がどのように携わっているのか、欅坂46の全8曲でセンターを務める彼女のセンターに対する想いについても語っている部分を見ていきましょう。
もの作りはおもしろい
これのポスターほちい??
ご飯作り終えた笑#平手友梨奈 #ロッキンジャパン pic.twitter.com/qgPEOkoKCR? こんがりてっちー???? (@7Jm9Un4WHODpdom) 2019年4月25日
ここまでのインタビュー記事を読んできた中で好きなもの、やりたいものがないと回答してきました。習い事も辞めたくて仕方なかったし、欅坂46のオーディションも兄が勝手に応募しただけで自分が進んでやりたいと思ったわけじゃなかった。
その後の欅坂46の活動においては日々与えられるものに対して必死で着いていっただけで、夢が叶っている実感みたいなものは感じていない様子です。インタビュアーの方も何か平手が情熱的になったものがあるんじゃないかといろんな問いかけをしても結局「ないです」しか返ってこないのだから本当にないのでしょう。
そんな平手がおもしろいと感じられるものに出会えたってすごくないですか。
ここまでの流れを見ていると兄貴が勝手に応募したオーディションに受かってしまって、デビューしたら最年少なのにいきなりセンター任されることになってしまった。注目を浴びたことで繊細な平手の心を傷つけたことは1度や2度じゃないでしょう。不協和音以降の無感情にも見える時期や声が出なくなってしまったことなど「平手にとって欅坂46での活動って楽しいことなの?」と聞いてみたくなりました。
それが欅坂46での活動を通じて、おもしろいと感じられるものが見つかったというのは、どこか身を削りながら活動しているように感じてしまう彼女の印象からすると嬉しい発言です。ちゃんと欅坂46に入ってよかったと思ってくれているんだなというのが分かっただけで泣けてきますね(笑)
そしてもう一つ言いたいのは、平手が意見を言うときはあくまで提案だということです。私はこう思うけど、みなさんはどう思いますかという形。
セトリを決めてるというだけで秋元さんにひいきされてるとかすぐ言い始める人がいますが、全員平等であることをやたら主張してくる人はいったいなんなんでしょうね。
『シンクロニシティ』を乃木坂に持っていかれて平手が怒ったという話もあるようにメンバーに決定権なんてないですよ。怒ったって言ってもそれだけ『シンクロニシティ』が好きな曲だったというだけで、平手が秋元さんに反旗を翻したとかそういう話ではないわけです。
何事にもああだこうだ言う人は必ずいるもので、そういう人は相手にすることもないなと思って普段はスルーしてますけど、あまりにも想像力に欠けた発言をしている人をSNSで見かけると気分がいいものではありません。そういう人ほどちゃんとこのインタビュー記事を読んでおいてほしいなと思いました。
平手友梨奈のセンター論
やっぱ写真集出して欲しいなー??
(出ないだろーなー??)#平手友梨奈 pic.twitter.com/mtebAMLMsG? こんがりてっちー???? (@7Jm9Un4WHODpdom) 2019年5月8日
欅坂46がデビューして『サイレントマジョリティー』から『黒い羊』までの8作すべてでセンターを担当している平手がセンターに対する想いを語ってくれています。
通常アイドルになりたいって思う子は注目されることが好きな子が多いわけで、センターは憧れのポジションです。ですが、平手は見るからにセンターに立ちたいって願ってるタイプには見えません。できることならあまり目立たないポジションのほうがいいぐらいに思ってそうな性格であることを考えると、兄貴の勧めで受けたオーディションとはいえよくアイドルになったなと思います。
性格的にロックな感じもするしアイドルとか興味なさそうじゃないですか。もともと乃木坂46の『制服のマネキン』でセンターに立っていた生駒への憧れというのがあったという話はもちろん知ってますが、そこで興味を持ったことも不思議だし、ましてや自分がアイドルになるなんて平手自身も想像してなかったんじゃないかな。
そんな子だからセンターに立つって平手にとって苦痛なんじゃないかなと思ったりもするんですが、曲を届けるためという条件付きでやりたくないわけじゃないと言っています。
SNSで平手推しの人の発言を見ていると平手の性格を極端に捉えすぎかなと思うことがあります。
例えば「2期生も加入して欅坂に選抜制が導入されたら平手がまっさきに選抜辞退しそう」とかね。その発想は平手が運営よりも強い権力を持っていることが前提になっていて神格化しすぎだなと思ってしまいます。
あとは平手が急に「辞めます」って言いそうと心配している方もいますが、平手にとって欅坂46こそが居場所であって恩返しをしたいと語っているのを見るとあまりそこを心配しなくてもいい気がします。
日々考え方が変わるタイプなので先のことは分かりませんが、少なくともインタビュー記事を読む限り欅坂46での活動に気持ちが向いていることはたしかでしょう。
こういった平手の性格を極端に捉えているかなと思う発言がある中で、平手がセンターに対してこだわりがなさそうと感じている声もよく見かけます。これはまさしくその通りだと思うし、平手自身も自分がセンターに立ってしまうことへの罪悪感を感じていると言っているので的確な捉え方に思います。
ただ、このセンターへのこだわりがないという平手の発想はリスクもあるなと感じています。
というのも、平手はセンターというポジションに向いている子だと思うからです。
逆に言うと3列目になったら3列目っぽい子になってしまって今ほどの輝きを見せられないんじゃないかと思ってしまうんです。
僕は5歳から阪神タイガースを好きになって今まで30年ほど応援してきた経験でいうと新庄剛志という選手まさにそんな選手で7番を打つと7番程度の成績しか残さないくせに、4番を任されると4番らしい成績を残すんです。
いい意味でも悪い意味でも置かれた場所に染まってしまうタイプなんです。
人間には必ず適性があると思うんですよ。100メートルの金メダリストのウサイン・ボルトだってマラソンに出たら勝てないじゃないですか。それは求められる適性が違うから。
平手は欅坂46の楽曲に登場する「僕」を欅坂46の主人公(センター)になって表現する抜群の才能をセンター以外のポジションで発揮できるかは未知数です。
当然、未知なだけでやってみたら何事もなかったようにこなす可能性もありますけど、センターだから必死になってがんばれるところもあると思っていて、安易にセンターから外れないほうがいいのではないかと思っています。
メンタル的にセンターがつらいなら外れることも視野に入れていいですが、マンネリ化を避けるために一回違うメンバーをセンターにしてみようというのは反対です。
そしてもう一つ、センターに自分が立ってしまうことへの罪悪感を感じながらも曲を届けるためならセンターやりますって思えるほど曲を届けたい思っているわけです。
なぜ平手はそうまでして曲を届けたい、表現したいと思うのでしょうか。
それはもう単純におもしろいからだと思います。
先ほども「もの作りはおもしろい」と言ったことについて触れましたが、平手の人生の中で情熱的になれるものがなかったのにおもしろいと思えるものができたというのは本当に大きな出来事です。
自分もブログを書いたり動画を公開していると「なんで動画を作るんですか?」とか聞かれるんです。そこで素直に「おもしろいと思ったからですよ」と返すと、どうもピンと来ない様子。たぶん「動画を公開したらアイドルに特別視してもらえるじゃないですか」とか言ったらしっくりくるんでしょうね。もちろんそんなこと思ってないので言わないですが、人間ていうのは自分の理解の及ばないことはなんらかの理屈をつけて納得したがるものなんです。
だから「なぜ欅坂46は平手をずっとセンターにしているのだろう」と考えた人に「平手にはそれだけの魅力があるからですよ」と言っても、その人自身が平手に魅力を感じていない場合は腑に落ちません。それが「実は秋元さんは平手が大好きだからひいきしてるんですよ」って言ったら納得できちゃうから困るんですよ。
こうやって自分の理解できないことを受け入れる想像力がない人に言いたいのは、何かを好きになることに理由なんていらないってことです。
嫌いな人をなぜ嫌いかって語れると思うんです。顔が嫌い、性格が嫌い、鈍感なところが嫌い、時間に遅れてくるところが嫌い。でも好きになった理由って後付けで加えることはできても、実際のところ好きな理由って分からなくないですか。
嫌いなところはひたすら嫌いだけですが、好きなところって嫌なところも含めて好きだったりします。
平手の好きなところってなんだろうって考えても、笑わないし、気持ちにムラがあるし、握手会出ないし、ブログは更新しないし、欠点なんていくらでも出てくるのに、やっぱり一番好きなのは平手友梨奈なんだよなぁっていうね。なんかうまく説明できないんですよ。
でも好きなことは好きだというその事実が重要なのであって理屈はどうでもいいと思っています。
平手に「なぜ曲を届けたいんですか? 表現したいんですか?」と問いかけてもしょうがないんです。
「表現するのが楽しい」「早く表現したい」。うん、それで十分です。平手がそういう思いを持って欅坂46で活動してくれていると分かっただけで、この本を買った価値があると思えるぐらい嬉しい言葉でした。
まとめ
今回触れた部分は欅坂46平手友梨奈の核心に迫る部分でインタビュー全体を通してもポイントになる話でした。
残り2ページまで来たので次で最後かな。
実際に書き始めてみないと分からないですが、今のところ次を完結編にする予定です。
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