OTOTOYにQ-pitchのインタビュー記事が掲載されました。11月13日に行われる『Q-pitch 生誕祭 2nd Anniversary』を直前に控えて普段は語られないメンバーの本音が語られています。
その中にはQ-pitchがデビュー当初掲げていたキャッチフレーズ「アイドル街道を急ピッチに駆け上がる」についてやアイドルロック路線への方向転換についてなど興味深いテーマがあるのでインタビュー記事の内容を受けてお話していきたいと思います。メンバーが本音を語った記事なので今回は自分も普段より本音で書きます。
目次
Q-pitchはアイドル街道を急ピッチに駆け上がってない?
──最初に教えて欲しいんですけど、Q-pitchというグループ名の由来はなんですか?
田山せかい(以下、田山) : もともとは「アイドル街道を急ピッチで駆け上がろう」っていうキャッチフレーズを掲げて、Q-pitchというグループ名になったんです。
榎本あやせ(以下、榎本) : そうなんです、最初は。
──最初は、というと?
榎本 : デビューして1年半くらい、大きいフェスやライヴの場で「アイドル街道を急ピッチで駆け上がる」っていう紹介の仕方をしていたんですけど、1年半も経っているし「うちら、急ピッチで駆け上がってないよね?」ってことに気づいて。
──みなさんの体感としては、急ピッチで駆け上がれてない?
榎本 : 表向きは、街頭ビジョンとか普通は出ることができないものに出させていただいたり、大きなフェスに出させてもらったけど、それが結果として繋がってきたかといえばそうじゃないのかなって。
田山 : 事務所スタッフさんが用意してくれた舞台に、私たちがついていけていないなって。
──運営の人たちの期待に応えられていない?
一同 : (口々に)応えられてないですね。
出典:OTOTOY『メンバーの脱加入、路線変更を経て臨む、覚悟の11.13 TSUTAYA O-WEST──Q-pitch、現在を赤裸々に語る』
デビュー当初からQ-pitchのキャッチフレーズになっていた「アイドル街道を急ピッチに駆け上がる」について語られています。1年半も経っているのに全然急ピッチに駆け上がれていないじゃんというんですね。
これについては論点が急ピッチに駆け上がれていないから止めたとなっていますが、問題はそこではないと思うんです。なぜならアイドル街道を本気で急ピッチに駆け上がろうとしたら乃木坂46や欅坂46ぐらいの豊富な資金力をバックにテレビや雑誌にバンバン露出しない限り不可能だからです。
地下アイドルが本当の意味で急ピッチに駆け上がるのは無理があります。ですから、それぐらいの覚悟を持って私たちは成り上がっていくんだという決意表明のようなものとして受け止めていました。
そもそも「アイドル街道を急ピッチに駆け上がる」というキャッチフレーズは抽象的すぎてキャッチフレーズとしては30点ぐらいです。
急ピッチに駆け上がるために具体的にどんなことをするアイドルグループなのかが見えない。ここがこのキャッチフレーズの問題点です。普通にライブをこなすだけなら他のアイドルグループと同じ。他のアイドルグループと違ってQ-pitchというグループにはこういう特色がある。だから、急ピッチに駆け上がることができるんだと言えるグループとしての色がぼやけていた。そんな印象を受けていました。
かわいい系からアイドルロックへ路線変更
──槙田さんは、今のロックアイドル路線をどう思ってますか。
槙田 : 最初は、新メンバーが入って6人になった4月に、カワイイ系の路線になったんですよ。それはそれで順応していかなきゃっていう思いはあったんですけど、またこういう風に変わって。全員戸惑いもあったと思うんですけど、5人になってようやく落ち着いて、やっと1つのものに向かってできるようになってきた。
出典:OTOTOY『メンバーの脱加入、路線変更を経て臨む、覚悟の11.13 TSUTAYA O-WEST──Q-pitch、現在を赤裸々に語る』
もっと遡ってデビュー当初から見ると2016年10月当時の初期の頃は、アイドル曲というよりも作詞作曲を担当しているたむらぱんカラーの強い楽曲という印象でした。率直にいって、コールやMIXが入れづらくて盛り上がりにくい曲だなと思っていました。
今ではヲタクも曲に慣れてきたのでデビュー当初の楽曲が来ても盛り上がりますけどね。当時は会場にいるヲタクも少なかったこともあって大変でした。
そこから徐々にアイドルに適応した楽曲が増えてきます。『ハッピーエンドは夢じゃない』ではメンバーとヲタクが一緒にやるトレインがあり『絶対S』では落ちサビができました。『GGG』では今のロック路線を思わせるような激しい楽曲でありながらファンとの一体感を出せるような振り付けもあります。
こうやって少しずつアイドルらしい分かりやすさを表現できる楽曲が増えてきたことで、反面、他のアイドルグループとの明確な違いが見えづらくなってきた時期でもありました。
王道路線というのは受け入れられやすい分、グループとしての個性が薄れてしまうというデメリットがあります。
Q-pitch結成1年~1年半の期間というのは、運営としても王道路線で行くのか、ロック路線で行くのか迷いが見えました。そして2018年3月31日に初期メンバー3名が卒業、新たに加わった伊藤りせ、菅谷あかねの2名が加入してワンマンLIVEで発表した曲が『しゃらら』です。
これはTHE王道アイドルといったようなアイドルヲタクに分かりやすい楽曲で、衣装もピンクを基調としたかわいい系。新体制での新曲は今後の方向性を示すメッセージでもあると思っていたので今後は王道のかわいい系をメインにしたアイドルグループでやっていくんだなと受け取りました。
そこから約2か月後に今度はアイドルロックへの方向転換。
もちろんファンは運営がこういう方針でやっていくと決めたのであればそれを受け入れるしかないですし、榎本あやせもやりやすくなったといっていたので、自分としてはなんとか受け入れようと思ったわけですが、方向転換するならなぜ3月31日にやらなかったんだと思ったのが正直なところです。
4月からの新体制でやってみて王道路線の限界を感じて方向転換を早めに手を打ったということでしょうか。真相は分かりませんが印象としては後手を踏んだ印象はぬぐい切れませんでした。
自分たちはどうしたいんだ
──これまで結構短めのスパンで変化している印象ですけど、なぜ変わらないといけないのか、運営さんからその都度どう説明されているんですか。
田山 : 途中で、運営体制が変わったんですけど、運営さんがベイビーレイズJAPANさんが好きなんですよ。それで、グラフみたいなものを見せられたんです。
伊藤りせ(以下、伊藤) : 「カワイイ系 カッコイイ系 電子系 生音系」みたいな感じで。
田山 : 例えばベイビーレイズJAPANさんとか、まねきケチャさんとかを例に出して、「こういうライヴを観ている方が俺は楽しい」っていう意見とか
榎本 : 実際、自分たちのダンスも歌もレベルが上がってきているし、目指すなら本格的なところを目指そうよっていうので、そういう風に変わって行ったというのもあります。
出典:OTOTOY『メンバーの脱加入、路線変更を経て臨む、覚悟の11.13 TSUTAYA O-WEST──Q-pitch、現在を赤裸々に語る』
記事中にもちょいちょい出てくる運営の方針という話が出てきます。そこに関してはタレントは1つの駒であって指揮を執るのは運営という意識が伝わってきます。たしかにそうですね。野球で監督がバントのサインを出しているのに打ちたいから打ちますでは話にならない。作戦を考えるのはあくまで運営サイドです。
でも1つだけ注意しておいてほしいのは、必ず自分たちが納得した上で受け入れるということです。作戦を考えるのは運営ですが、実際にステージに立つのは自分自身なわけですから絶対に納得することが必要。
自分が芸人だったときにいろんなライブのネタ見せにいったり、事務所の教務や講師にネタに関してアドバイスをもらいました。それぞれの人がみんな違う意見を言ってきます。それは良かれと思っていってくれていることだし、そういう考え方もあるんだなと思ってネタを見せるたびに修正を加えていたら元の原型がなんだったのかさえ分からなくなっていました。
自分たちが作ったネタなのに、いったい何をおもしろいと思って表現していたネタなのか分からなくなっていたんです。
だから、このブログでもライブが終わった後のレポートで感想を書きますが、最終的な判断は自分たちでしてほしいと伝えています。基本は無視でいいんです。
ただ、つまんなかった、おもしろかった、だけじゃ具体的に何が悪かったのか、よかったのか分からないですよね。もし悪かったと思う点を伝えるなら自分だったらこういう改善策を考えるというそこまで提示して書いています。それを受けてどう感じるかはメンバー次第でいいと思っています。
最終的には自分たちはどうしたいのか納得した上で結論を出す。これは運営の言うとおりに順応するという思考と同じぐらい常に頭に入れておいてほしい部分です。
Q-pitchの課題
ブログを書くときに気をつけているのは、苦言は控えるということです。
絶対に言わないというのは無理ですが、なるべくいいところを見つけて読んでいて楽しくなるような記事に努めています。というのも、ネガティブな内容というのは書き手が思っていることの10倍ぐらいの切れ味で受け手に刺さってしまうからです。
僕がQ-pitchのことを嫌いだと思いますか、メンバーのことを嫌いで攻撃したいと思って書いていると思いますか、少なくとも初期メンバーの3人であればそこらへんの意図は汲み取ってくれると信じています。でも、記事を読む人はメンバーだけではありません。Q-pitchを知らない人も、最近興味を持った人も読むかもしれません。そしたらその記事だけを切り取って不快に思うことでしょう。
読んでいる人が不快に思う記事など僕にとっては価値のないブログです。だからこそ控えてきたわけですが、ある意味、それは常に本音の部分に目を伏せて記事を構成するという作業でもあったわけです。
そこでたまには本音で書いてみましょう。
以前、Q-pitchの課題は「分かりにくいところだ」と言いました。
Q-pitchというグループを一言で表現できない。王道アイドル路線なのか、ロック系に行きたいのか、他のアイドルグループと違う決定的な個性が分かりにくいんだと書いて、直接話をしたときもあやせ、せかい、あやりんの3人には「Q-pitchってどう思う?」と聞かれたときには答えました(こういうことは聞かれない限り言わないようにしています。)。
時が経ち、Q-pitchのコンセプトはアイドルロックへと方向が決まったことで方向性ははっきりしました。この点で、分かりにくいという課題は解消されたように思います。
では現在の課題はというと2つあります。
本音が見えないグループだ
今回のインタビュー記事の良かったところはメンバーの本音が語られているところです。キャッチフレーズについて、運営の期待に応えられていない現状、アイドルロックへの方向転換など彼女たちがどう思っているのかが見えました。
でもこれはインタビューを受けるという外的要因によって発信されたことであって、本来はもっとメンバー自身から発信していい言葉です。
Q-pitchが主戦場としているSNSツールTwitterはリアルタイムコミュニケーションには向いていますが、自分たちの思いをしっかりと伝えるという点においてはタイムラインが流れていってしまうため向いていないツールです。
文字の媒体でいえばやはりブログが残しておくという意味で適しているでしょう。
動画においてもshowroomのような生配信が現在のトレンドですが、自分たちの思いをしっかり伝えるという点ではYouTubeやニコニコ動画といった残る媒体のほうが向いています。
Q-pitchはいつも明るく、元気で、かわいいアイドルグループです。ですが、本気でこのグループを応援していきたいと思う瞬間て、この子を本気で応援していきたいと思えるほどファンの心を動かしたときです。そのためにどういう思いを持って活動しているのか、どういうアイドルを目指しているのか、そういう本音を語ってほしい。
その本音を語るのにTwitterの文字数ではあまりにも短い。
アイドルロックを掲げて感情むき出しで表現すると言っている割に、このインタビュー記事を読むまでは感情が見えてこなかった。この点は大きな課題です。
発信力のなさ
そしてもう一つ課題と考えているのが「発信力のなさ」です。
この点は、デビュー当初からずっと思っていたのですが言わないでいました。なぜなら、言ってもしょうがないと思っていたからです。だって発信力がないって言われたって本人たちからしてみたら毎日Twitter、インスタは投稿している。毎日のように厳しいレッスンやLIVEをやってがんばっているという自負があるでしょう。
そんなときにがんばりが足りないみたいなことを言われても素直に受け入れがたいものです。何もQ-pitchが悪いといってるわけじゃなく普通そうだよねという話です。
それでもこの際なので伝えたいのはやっぱり発信力なんです。
日々のTwitterやインスタの更新は野球選手が野球をやるとか、サッカー選手がサッカーをするといった当然の話であってアイドルにとっての日常でしかないと思っています。
ファンがもっと知りたいのは、その日のライブでどう感じたのか、楽屋ではどんなことがあったのか、楽曲に対する自分なりの思いを語るのも個性的な発信だと思います。ヲタクは表からでは見えない関係者以外立ち入り禁止のところで何が行われていたのか、メンバーの本音はどう感じていたのかといった内面的な部分を聞きたいものなんです。
自分はこう思ったという発信は常にオンリーワンな答えになるのでそれだけで価値のある発信になります。
指原はブログを100回更新することでブログキャラを定着させました。松村香織は動画でメンバーの素顔を撮影することで動画キャラになりました。
Twitterのハッシュタグを統一させてトレンド入りを狙うのもいいでしょう。伊藤りせほどの歌唱力があるなら歌がうまい歌手のものまねができれば一気に全国ネットのテレビに出演することも可能です。
もっというと釣り師といわれるアイドルはAKBグループや坂道系グループのような地上アイドルでは聞きますが、地下アイドルでは物販であの子の対応が神だって話題になっているのを聞いたことがありません(地下アイドルは知名度が低いので僕が知らないだけかもしれませんが)。
これって地上アイドルの子のほうが他のメンバーに埋もれてしまう危機感を持っていて、なんとかして振り向かせようと必死になっている結果なんじゃないかと思っています。
こういうのって本来地下アイドルこそ感じているべき感覚です。
まとめ
インタビュー記事を受けて自分なりの感想と本音をまとめてみました。
いま思っていることはだいたいお伝えできたんじゃないかと思っています。どこまで言うべきか、心に留めておくべきかはいつも迷うところです。あやせには自分の好みのアイドルの系統は伝えたりもしますが、それも握手会のような時間が限られた場所ではなく誤解なく伝えることができる個別撮影会でのことです。
伝えるって難しいもんですね。
今回の内容をどう受け止めるかはお任せします。何が正しいかなんて誰も分からないんだから自分たちが納得したやり方で突き進むしかないんです。
もう実力が足りないという時期は終わりました。あとはどう伝えるか。それだけです。
あとがき
最後に少しだけ近況を。
9月末から10月初旬にかけてだいぶバタバタしていて年内はアイドル現場には行けないんじゃないかと思っていたのが、1つずつ解決していって11月には現場復帰できそうな目途がたってきました。
こうやってブログを書く時間を作れるようになったのもよかった。
Q-pitchの定期公演だけは必ず参戦して成長の軌跡を追っていくはずだったのに15日は行けなくなってしまったのが残念でなりません。りせの誕生日もお祝いできなかったのも申し訳ない気分です。遅れましたがお誕生日おめでとう。
カメラは全部売ってしまったのでもう撮影会に行くことはできませんが、定期公演あたりでまた会いましょう。
【Q-pitch関連記事】
最近のコメント