欅坂46の冠番組『欅って、書けない?』はお笑い芸人の土田晃之と澤部佑をMCに迎えて放送されています。デビュー前のグループが冠番組を持つという異例のスタートを切ったこの番組も開始から3年が経ち、徐々にメンバーの個性が発揮できるシーンも増えてきました。
しかし、番組開始当初はMCが振っても誰もリアクションをしないおとなしいグループという印象が強く、MCのお二人もかなり苦労している様子でした。収録になると急におとなしくなってしまうという特徴は、以前どこかで見たことあるような気がしていました。なぜ急におとなしくなってしまうのかを含めて欅坂46について特集します。
楽屋では騒いでいるのに収録ではおとなしい
欅坂46が特集された『QJ Vol.135』にて『KEYABINGO』という番組のMCを務めたサンドウィッチマンが欅坂46の印象を語っています。
サンドウィッチマンが
好きすぎて辛い
可愛すぎこの2人
もうしんどい pic.twitter.com/U0JqtbINXc— ぴえろ。「M:I??FO観て!!」 (@adidas_movie) 2018年10月27日
伊達:とにかく静かな子たちという印象でしたね。
富澤:打っても響かない感じでしたね。お前らがサイレントマジョリティーじゃねぇか!っていう。
伊達:でもみんなそう言いますよね。澤部も言ってましたけど。
『QJ Vol.135』より引用
最初の頃はバラエティ番組になれていなかったことと全体的におとなしいメンバーが揃っていることも相まってリアクションがないからMCも大変です。それが徐々に収録でも個性を見せるようになってきたわけですが、楽屋でもおとなしい子たちなのかというとそうではありません。
『欅って、書けない?』の企画の中で楽屋を隠し撮りしている回がありました。するとテンション高くはしゃぐ鈴本美愉、お弁当に必死になる長沢菜々香、歌い続ける今泉佑唯、ちょっかいを出し続ける長濱ねる、そして織田奈那を怒らせる実験企画で織田に絡むメンバーを見てもおとなしいという印象はなく、よくある女の子のアイドルグループそのものでした。
それがカメラが回り始めた途端に黙ってしまう。楽屋とテレビ収録の現場では勝手が違うのは当然分かります。でも『欅って、書けない?』はホームグランドです。いくらでも失敗ができる環境でもおとなしくなってしまうのはなぜでしょうか。
欅坂46とSKE48の共通点
楽屋と収録時で態度が一変してしまう様子をどこかで見たなぁと思っていたらSKE48でした。
SKE48は愛知県名古屋市にある栄(SAKAE)を拠点に活動するアイドルグループです。今年で結成10周年を迎える欅坂46と比べると先輩グループにあたります。
SKE48の特徴は激しいダンスです。SKE48が結成されたときにはすでにAKB48の知名度が高くなっていたこともあり、後発の姉妹グループの持ち味は全力感溢れるダンスになりました。そのためダンスレッスンは過酷を極め初期メンバーに話を聞いても当時の話を聞くと本当に必死だったことが分かります。
振付師牧野アンナによる強烈なスパルタ教育によって鍛えられたSKE48は体育会系といわれ、先輩後輩の上下関係も厳しいものでした。
短期間でAKB48に追いつこうと思ったら厳しいレッスンによってスキルアップを目指す方法が一番の近道だと考えたのかもしれません。しかし、こういったスパルタ教育で鍛えられたグループには必ずぶち当たる壁があります。
当時、松井珠理奈とWセンターを務めていた松井玲奈はSKE48のことを分析してこう言いました。
「決められたことをきっちりやるのは得意。でもそこがおもしろくないって思われちゃうところなのかな。」
決められたことはできるけど、自由を与えられると途端に消極的になってしまう。
SKE48として歌番組に出ても積極的なのは須田亜香里ぐらいなものです。あとはテレビ的に使いやすい古川愛李のイラストが使われて、もう一人ぐらい誰かがピックアップされますがそれはMCに振られて話すことが多かったので台本的に決まった流れになっていたのでしょう。
須田亜香里の積極性というのはSKE48において特殊な事例であって多くのメンバーは積極的になれなかったわけです。
では、体育会系グループで普段は激しいダンスを見せる彼女たちが収録になってしまうと消極的になってしまうのか。
答えは「大人の目」です。
収録というのは出演する側から見るとカメラを通してものすごい数の人が見ているという緊張感と合わせて、収録現場にいる技術スタッフを含めた大人の目が彼女たちを見ています。
自分は1年だけお笑い芸人として舞台に立っていましたが会場に来ているお客さんよりも視線の先に見える担当教務の顔がきになってしまうことがありました。何か失敗をしたときに怒られるのはお客さんではなく教務だからです。本来ネタはお客さんに向けて発信しなければいけないのに、演者からはお客さんだけじゃなくいろんな視線が視界に入っているのです。
SKE48のようにスパルタ教育を行っていくとダンスのように決められたことを的確に覚えるのは得意になります。でも、自由を与えられると分からなくなるのは怒られることへの恐怖心が先に立ってしまうからです。大人の目が気になり始めるとメンバーは自分の思ったことよりも正解がなにか、怒られない答えはなにかを探し始めます。当然最初は答えなんて分からないわけで、リスクを冒すよりも黙っていることを優先するようになってしまうのです。
同じように欅坂46がおとなしいと感じてしまうのも似たような論理で、SKE48が大人に対する恐怖から消極的になっていたのに対し欅坂46は大人への不信感があるように思います。そして結果的に正解を先に考えてしまうため積極的になれない。
『欅って、書けない?』の企画で番組での彼女たちが抱える疑問を聞いてみると、リアクションがないから何も考えていないように見えて実によく考えています。番組でどのようにリアクションをとったらいいのか、キャラ設定をどうしたらいいのか、的確な切り返しはどれが正解だったのか、考えているのに、瞬発力を持って反応することができないで悩んでいます。
欅坂46とけやき坂46の新メンバーに求められる人材はこれだ
欅坂46にも長濱ねる以来2回目となる新メンバーの加入が発表されています。正直いうと欅坂46は今のように全メンバーが選抜になるスタイルがうまくハマって結束力を深めた印象があるので新メンバーの加入は反対です。冗談まじりにメンバーは卒業するメンバーが出ることになったら解散してもいいかもね(笑)なんて言っていましたが、冗談に見せているだけでかなりの部分が本心に近いと思っています。
しかし、すでに新メンバーが加入することは決定しています。長濱ねるのときのようなサプライズ発表とは違い既存メンバーにも受け入れる心の準備期間があるとはいえ、人見知りな子が多い欅坂46に新メンバーとして加入するのは大変なことでしょう。
欅坂46が強烈なメッセージを込めた楽曲を歌い、全体的にもおとなしいクールな印象なのに対して、妹グループのけやき坂46は明るくアイドルの王道路線を進んでいます。結成当初の予定では欅坂46が太陽で、けやき坂46が月という位置づけだったようですが現在の印象では全く逆のイメージです。
けやき坂46のほうが恐れず自由に前に出ている印象でバラエティセンスの高い子が揃っています。すでにバラエティ的には足りているので歌唱力やダンス力といったパフォーマンス重視の人選になると見ています。
欅坂46に求められるのは積極的になれる子です。しかも積極的な子が多すぎてはいけない。SKE48が消極的だったとはいえ超積極的な須田亜香里が1人いるだけで周りのメンバーは相当助かっていました。バラエティ担当を大量に採用しても欅坂46のイメージを崩してしまいます。現在は織田奈那がバラエティ担当になっていてMCも困ったときの織田奈那という扱いを受けていますが、もともとは積極的というよりも受け身のタイプなので積極的な子が1人いてくれるだけで助かるはずです。
まとめ
けやき坂46はフレンドリーな印象ですが、欅坂46に新加入するメンバーは最初は怖いでしょうね。最初から積極的になれといっても無理だと思うので徐々で構わないので個性を発揮できるようになってほしいと思います。
けやき坂46の富田みたいに初回からパリピをアピールしてくるやつが欅坂46に入ってきても違和感ありそうですけどね(笑)
どんなメンバーになるにしても欅坂46に今までいないタイプを加入させたほうがいいと考えています。最初は拒絶反応が起きそうですが、そこは覚悟のうえで来てほしいなと思っています。
自分が新人だったらキャプテンの菅井様、面倒見がいい齋藤冬優花、そしてとりあえず織田奈那(なんとなくw)、新加入のつらさを分かっているねるあたりに気に入ってもらえるようにするかな。平手先輩に声をかける勇気は当然になく、理佐、梨加、土生ちゃん、鈴本あたりも難易度高め。
ダンスレベルが高い欅坂46に入ることは相当大変で、秋元さんのことだからいきなりセンター任せたりサプライズ人事をやったりするので新メンバーも覚悟が必要だと思いますが、それはそれとして人間関係の構図にも注目していきたいと思います。
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