秋元康さんがTOKYO FM「SCHOOL OF LOCK!」にゲスト出演しました。これから始まる番組との連動企画もあっての出演でしたが、そこは欅坂46ヲタクのとーやま校長ですから笑いなしのガチトークが繰り広げられたシーンは熱いものを感じました。
ガチトークとはいえ直接的な表現でとーやま校長も聞くことはできなし、秋元さんも言い方にはかなり注意して語っているのですが、その意味を汲み取っていきながら今後の欅坂46と平手友梨奈について考えていきます。
秋元康「欅坂46のおもしろいところは先が読めないところ」
今夜の生放送教室には[秋元康]先生が初来校中???
この後、SCHOOL OF LOCK! × 秋元康 先生の"新プロジェクト"を発表???? #秋元康 #SOL pic.twitter.com/IugDGOBsEp— SCHOOL OF LOCK! (@sol_info) 2018年12月10日
とーやま校長:欅坂46は3人卒業が決まって、二期生が新たに追加になったじゃないですか。秋元先生としては、これからの欅坂46はどのようなものになっていくと思われますか?
秋元:全くわからない。そこが、欅坂46の面白いところだと思うんですよね。先が読めないじゃないですか。
とーやま校長:めちゃめちゃスリリングですよね。
欅坂46って人見知りの集合体みたいなグループです。秋元さんがメンバーから大人への不信感を感じ取って『サイレントマジョリティー』を書いたことで欅坂46の方向性が決まり、それぞれが個性的な欅坂46はバラバラでもいいじゃないかと歌った『不協和音』。そんな攻撃的な楽曲が続いた中ですべては「なんとかなるさ」と明るい自虐で笑い飛ばした『風に吹かれても』など、欅坂46の楽曲を見ているだけで欅坂46からのメッセージを多く受け取れます。
でも、デビュー当初に比べれば笑顔も自然になってリラックスする表情を見せるようになった欅坂46なのに、今でもやっぱり空気を読みすぎるのか周りの目を気にしているような感じるときがあります。だから、欅坂46のメンバーを好きになって個性が分かってきても核心に迫る部分においては、まだ見えてこないんです。
不思議なもので分からない部分があるからどんどん知りたくなる。追いかけたくなる。目が離せないのは答えがはっきりと見えないからなのかもしれません。
とーやま校長:そうですね……、2017年に「行け行け! すごいぞ!」っていうのを、目の当たりにしたんです。2018年にももちろんその瞬間はあったんですけど、でもやっぱり「もっと行けるはずだよ!」と思うこともたくさんあったんです。そこに対して、自分の中でちょっともどかしい気持ちになったりとか、「こんなはずじゃないんだよ! もっとすげーんだよ!」っていう……。
秋元:だから、欅坂46が面白いんだと思うんですよ。つまり、突っ走って「行きつく所まで行くぜ!」っていう欅坂もいいけれど、何かに悩んだり迷ったり、あるいは体調が優れないとか、「だからちょっと休もうか」とか、いろんなことがあるわけじゃないですか。それを全てさらけ出しながら進んでいるのが、欅坂46じゃないかな、と思うんですよね。こんなにガチなグループはなかなか無いと思います。
2017年は全国ツアーもあって夏から突っ走ってきた。知名度もどんどん上昇して欅坂46の人気も爆発した。
しかし、2018年は紅白で倒れてしまったのを引きずるように平手友梨奈の休養や武道館公演の中止。今泉佑唯も休養、志田愛佳、原田葵も休養と2017年に突っ走ってきた分、息切れしてしまった印象が強くなりました。
その点について秋元さんは「だから欅坂46はおもしろい」と言っています。
これは強がりで言っているわけじゃなくて本当にそうだなと思うのは、欅坂46ってよくも悪くも嘘がつけないグループだと思うんです。普通アイドルならつまらなくても笑顔でいるものじゃないですか。でもセンターの平手友梨奈を中心に愛想笑いで取り繕うことができない。
よく言えば正直な生き方ですが、なんとも不器用な生き方だなと思ってしまいます。
映画『響』で平手友梨奈が演じた鮎喰響は天才的な才能を持ちながら理不尽なことには正直にNOと表現しています。時に暴力的な行動に出てしまいやりすぎてしまうことが仇になることもあるのが、作品中のキャラクターとしてはおもしろいなと思っていました。
もちろん現実世界で飛び蹴りをかますわけにはいかないにしても、鮎喰響をマイルドにしたのが平手友梨奈であり、欅坂46だと考えると正直すぎて不器用な生き方にどこか憧れてしまいます。
内心違うだろと思うことでも大人になると従わなければいけないときが少なからずあるじゃないですか。そういう葛藤は社会で生きていればみんなが抱えている。でも生きていくためには従うことこそが答えなのだと言い聞かせて自己を殺して正当化させていくわけですが、やっぱりそういう生き方に居心地の悪さを感じている人もいます。そんなときに現れたのが欅坂46です。
「サイレントマジョリティー」の歌詞で「君は君らしく生きていく自由があるんだ」と説き「Yesでいいのか? サイレントマジョリティー」と物言わぬ多数派になっていることに慣れてしまった心に本当にそれでいいのかと問いかけてきます。
この歌詞に魂を揺さぶられた方も多いのではないでしょうか。
坂道を駆け上がってきた2017年、2017年の反動からか立ち止まった2018年。
休養するメンバーや卒業するメンバーが出て二期生も加入して過去もっとも激動の1年だったと思います。そんないいところも悪いところもさらけ出してきた2018年こそが、見方によっては欅坂46らしい1年だったとも見ることができます。
精神的な脆さを抱えながらも必死になって前に進み続ける姿こそが欅坂46らしくてファンは応援したくなります。
平手友梨奈は「そのときそのときの精一杯をやっている」
#21枚のカウントダウン、17日目は #平手友梨奈 さん× #神藤剛 さんの『共振』。幾度と撮影を行なってきたこの組み合わせ…必見です!#欅坂46 ファースト写真集『#21人の未完成』発売まで…残り4日! pic.twitter.com/f5A0pVBfpr
— 欅坂46 ファースト写真集『21人の未完成』公式 (@keyaki_first) 2018年11月17日
とーやま校長:そうですね。だからこそ僕もそうですし、いろんなロックミュージシャンだったり、いろんなジャンルの方が、『欅坂46』というものに胸を打たれて、今があるんだと思うんですけど。やっぱり、そこの真ん中にいる平手友梨奈ちゃんを見ていても、ちょっと今ね……。インタビューとか読んでいたら、「秋元先生の曲の中の主人公である『僕』に会えるのか?」と(悩んでいたり)、会えるときもあれば会えないときもあるんだろうし。そういうのを見ていて……めちゃめちゃ大変だな、と思ってます。だから秋元先生も、我が校の大切な仲間の平手友梨奈を、本当によろしくお願いします!
秋元:そうですね。やっぱり『僕』というものに対する思いが、平手の場合はものすごくあるので、それと対峙しているのは大変だと思いますよね。だからもちろん、みんなが「体調が悪いんじゃないか」とか、「何か引っかかっている部分があるんじゃないか」とか心配してくれてるんですけど、本人と話をすると、そのときそのときの精一杯をやってるんですよ。
決して手を抜くとか出来ないとかじゃなくて、そのときの一生懸命なんですよね。だから、それは本人の中で、また『僕』に会えるかもしれないし、『僕』が遠い所にいるのかもしれないし。それの迷いも含めて欅坂46の今があると思うんですよね。
ここでは欅坂46の歌詞に登場する「僕」になりきる平手友梨奈について語られています。
別冊カドカワのインタビュー記事で渡邉理佐もセンターを務めた際に感じた「僕」の心理を語っていたのを思い出しました。
またセンターですか? 正直、ずっとはできないと思います。とても心が持たなそうで・・・欅坂って重い曲も多いじゃないですか。平手を見ていると、『そりゃあ、そういう気持ちになるよな』と改めて思うんです。
『別冊カドカワ』20180703より引用
実際にセンターを経験した理佐だからこそ語ることができる言葉です。センターに立った者だけにしか分からない孤独と僕との対峙。僕という存在を追求していけばいくほど生身の自分は疲弊していく。理佐が言うように平手を思うと「そりゃあ、そういう気持ちになるよな」と思うんです。
それこそ『不協和音』なんて軽く「僕は嫌だ」とモノマネするぐらいならいいですが、本気で僕の気持ちになって歌うのはあまりにも重い曲です。仲間だと思っていたのに同調しないことで裏切り者扱いされることに対して反旗を翻すこの曲は、本気で僕に会いにいく作業はあまりにもきつい。
そうやって欅坂46の曲を考えていくと毎回「僕」に会いに行っていたら持たないですよね。それはやる気があるとかないとかいう問題じゃなくて毎回自己ベストを更新しようとしすぎて息が詰まってしまうアスリートのようなものです。自己ベストなんて体調、環境、メンタルのすべてが整ったときにようやく出るかどうかってものなのに、周りの見る目のハードルも上がってしまうと程々の出来では許してもらえないつらさがあります。
うたコンやFNS歌謡祭で見せた平手友梨奈のパフォーマンスはたしかに彼女の自己ベストからすると程遠い出来だったかもしれませんが、それはウサイン・ボルトが10秒台で走ったらブーイングをくらうようなもので、平手に求めているものがすでに圧倒的に高くなってしまっていることが原因なんだと思っています。
けして手を抜いているわけじゃなく精一杯やっている。
それでも、あのときのパフォーマンスと比べたら全然ダメだと言われるし本人も納得するタイプじゃないわけで、マイナスとマイナスを掛けたらプラスになるところがそのままマイナスのまま膨張したような感じがしています。
本当はアンチを黙らせるようなパフォーマンスを見せてくれるのが一番ですが、毎回それを求めてもなかなかできないのであれば今はゆっくり平手ファンとして見守っていくしかないと思っています。
だってまだ結成して3年程度しか経ってないグループなんですよ。しかもライブ経験なんて地下アイドルに比べたら圧倒的に少ない。実力的にはまだまだなんです。そんな彼女たちの成長過程を見るのがおもしろいのであって、できていないことが多いのは当たり前なんです。
それをパフォーマンスのダメ出しばかりするのは、根本的な部分で間違ってるんじゃないでしょうか。
平手友梨奈も不器用すぎるタイプで見ていてハラハラさせてくれますが、そんなところも含めて好きになったのだと割り切っています。
もともと叩かれやすいタイプなのに平手推しまで彼女を攻撃しちゃったらかわいそうじゃないですか。ある意味、親目線のような感覚でこれからも見ていきます。
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