『B.L.T.』2019年7月号は乃木坂46の齋藤飛鳥が表紙を務めています。前半は乃木坂46特集企画が続く中で中盤に欅坂46石森虹花の1万字インタビューが掲載されています。
大阪、東京で行われたアニラについて、新加入となった2期生について、アンコールについて、など今まさに聞きたい内容が詰め込まれたインタビュー記事でした。
内容を振り返りながら感想をまとめていきます。
黒い羊は弱さを表現している
発売中の「B.L.T.」2019年7月号に石森虹花の撮り下ろし写真とインタビューが掲載されています??
ぜひチェックしてみてください??#欅坂46#BLThttps://t.co/3dUTa6T4GS pic.twitter.com/gGkPr5QOb4— 欅坂46 (@keyakizaka46) 2019年5月26日
3周年のアニバを終えてからの石森のインタビューでまず語られたのが『黒い羊』について。
欅坂46の表題曲の流れで見ていくと
ガラスを割れ!・・・強い曲
アンビバレント・・・迷い
黒い羊・・・弱さ
武道館公演の強い曲が並ぶセットリストの中で真逆の『黒い羊』を千秋楽に持ってきたことで弱さを強調したことを語ってくれました。たしかに『ガラスを割れ!』『サイレントマジョリティー』『不協和音』のように強いメッセージ性の強い曲が並んでいてカップリング曲にもそういった曲が多いです。
そんな欅坂46の楽曲に登場する"僕"がアンビバレントで二つの感情が二律背反してしまうことに迷い、黒い羊では弱さを表現している。
欅坂46の曲全体で見たときの『黒い羊』の特異性とガラスを割れ!→アンビバレント→黒い羊という僕の心の流れ、そして武道館公演のセットリストでは強い曲を前フリとした黒い羊で表現した弱さの象徴としての黒い羊。
どこから見ても欅坂46にとって『黒い羊』という曲は特殊です。だからこそ「強いだけじゃなくてもいいんだ」という今回の公演でもっとも伝えたかったことを表現するために武道館千秋楽に持ってきたんだと思います。
ただ欅坂46の曲は強い曲が多いとはいっても『サイレントマジョリティー』で「君は君らしく生きていく自由があるんだ」と歌うように自分らしく生きられない僕の苦しみがあってこそのこの歌詞じゃないですか。
『不協和音』にしても『ガラスを割れ!』にしても曲単体で聞くと強く聞こえますが、欅坂46っていう迷いながら苦しみながら生きていく彼女たちを知ってから聞くと単純に強い曲というよりも根底には弱さを抱えていることが分かります。
本当に強いだけの人なら自分らしく生きられないことへの苦しさを歌うなんてことはないと思うんです。
そう考えると欅坂46というグループが今まで『黒い羊』のような弱さを歌う曲がなかったのって不思議ですね。
強く生きろ!でも強いだけじゃなくてもいいよ!と言えるようになったのは、欅坂46が少しだけ大人のグループになったという証なのかもしれません。
武道館での『黒い羊』演出を解説
本日5月26日(日)、楽天生命パークにて石森虹花と守屋茜が始球式を務めさせていただきます??#イーグルスガール#RakutenEagles#欅坂46 pic.twitter.com/DtN9Jqm7Rn
— 欅坂46 (@keyakizaka46) 2019年5月26日
『黒い羊』のMVを始めて見たときに平手は生きているのか、死んでいるのか、というのが話題になりました。
冒頭の事件現場のシーンも、平手が自殺をして、その後のシーンは全て平手の死後の世界という解釈です。死後の平手が平手の心である彼岸花を持って今まさに自殺をしようとしている子を愛を持って救おうというのです。
この解釈については、平手が生きることに絶望した若者を愛を持って救おうとしているという解釈はできるものの、最後の屋上でもがき苦しみながら踊った後の平手の目は生きることへの欲求を感じました。そんな子が自殺をするだろうかと思い、平手は死んでいるかもしれないけど、自殺したのは平手ではないんじゃないかという判断に至りました。
むしろ冒頭の事件現場が象徴しているのは悲惨な事件現場に群がるマスコミと興味本位で近寄る一般人という点であって、どうしてもメンバーを愛を持って救おうとする平手が自ら命を絶つとは思えなかったんです。
平手がMVで終始訴えてくるのは生きることです。
苦しむメンバーを抱きしめた後に、ねるが降りてきた階段を昇ると平手の幼少期に出会います。幸せそうな家族が描かれケーキを囲む姿と直後に出てくる若い夫婦と思われる2人が写真の前で立ち尽くしています。
幸せな家族と若い夫婦がどちらも平手の親なのかは分かりませんが、なんらかの理由で子どもが幼くして亡くなってしまったのでしょう。
さらに階段を昇ると今の平手が子どもの平手と出会い、子どもの平手から彼岸花を渡されます。
彼岸花は平手の心を表しています。
「全部僕のせいだ」と抱え込んでしまって一度は手放した彼岸花を再度受け取り、いま自分にできることはやっぱり愛を伝えることしかないと再認識します。自分のように生きたくても生きられなかった人間が死後のいま、伝えられることは「あなたは1人じゃない」と愛を伝えること。その使命を果たさなければいけないと再び立ち上がります。
武道館では平手はとうとう見えない存在になりました。
彼岸花を持って平手のいる世界に行こうとする小林を平手は「こっちに来ちゃダメ」と止めます。あなたはまだ死んではいけないと伝えるのです。
石森は今回の演出を「平手が演じる"僕"が境界線を越えてしまった」という言い方をしていますが、MVからの流れで見て行くとむしろ今までが境界線を越えていたのであって本来いる世界に平手は戻ったのだと思います。
そんな平手を追いかけて小林は「私を一人にしないで」と追いかけようとした。そういった解釈をしています。
もちろんこういった解釈に正解はないので、みなさんそれぞれの解釈をしてみてくださいね。
アンコールをやらないという挑戦
目印は、欅坂46の石森虹花さん!にじいろの「IDOL AND READ16」現在好評発売中です!
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— IDOL_AND_READ (@idol_and_read) 2018年9月30日
このアンコールなしという構成にはSNS上でも賛否の声があがりました。
アンコールって本来はファンから自発的に起こるもので、ある意味おまけみたいなものです(イカ天のときなんてアンコールないバンドありましたからねw といっても伝わらないか)。
でも実際のところはアンコールは当然あるものとして見ているというのが実情です。本編終わっても会場の照明が明転しないときはアンコール待ちのサインだったりします。
そうなるとアンコールでのお得感ていうのは形式的なものになってしまいます。どこかに今日はアンコールないかもしれないという気持ちがあったほうがアンコールがあったときに喜びが倍増します。
プロ野球阪神タイガースの藤川球児投手は点差に余裕があるときは普段投げない球種を投げてみるといいます。これはいつも同じパターンばかりで攻めていると勝負どころで手詰まりを起こすから。
相手バッターも配球の傾向を研究してくるのでいつも同じパターンでは攻められないわけです。相手の予想の裏をかく配球も必要ということです。
欅坂46のライブは影絵パフォーマンスや乃木坂46の『シンクロニシティ』披露など観客の想像の先を行くような演出を心がけていることが分かります。
たしかに自分が行った公演でアンコールがなかったら「アンコールないんかい」って思うかもしれませんが、アンコールなしでも満足いくステージを見せることができるという意思表示でもあると思うので、今後はアンコールがあったときはアンコールは当たり前じゃないんだということを理解しながら楽しみたいと思います。
卒業したメンバーも欅坂
本日9月27日(木)発売の「IDOL AND READ 016」の表紙&特集に石森虹花が登場??
是非チェックしてみてください??#欅坂46#IDOLANDREAD pic.twitter.com/9qm8Hmnxn8— 欅坂46 (@keyakizaka46) 2018年9月27日
もちろん全てのメンバーが石森と同じように卒業したメンバーもまだ欅坂46の一員だと思っているんでしょうが、雑誌のインタビューであえて言ってくるあたりが石森は全方向に配慮がある子なんだなというのが分かります。
インタビュー記事を読んでいて思ったのは、その言い方は誤解を招く言い方なんじゃないかと思わせるような表現がないということです。
テキスト媒体で発信をするときって感情が伝わりにくいので言葉の表現一つで、うまく伝わらないことはよくあります。単純に受け取り手の想像力のなさによるものであればそれは気にする必要はないのですが、なかには発信する側の言葉足らずであったり、言い方の問題もあったりします。
そういった誤解を招く余地がないのは石森がいろんな立場の人の感情に配慮ができる優しさを持っているからだと思います。
例えば、卒業したメンバーも欅だと思っているという言葉の裏読みをしようとすると「つまり2期生はいないほうがよかったってことですか」みたいなことを考える人がいます。一言もそんなことは言ってないだろと言いたくなってしまいますが、実際にネガティブな読み方ばかりをする人はいるもんです。
しかし、今回のインタビューで石森は二期生ががんばってくれたこと、二期生が入ったことで欅坂の新たな面を見せることができることへの期待を語るなど2期生にもちゃんと配慮をしています。
それこそアンコールがなかった点についても、アンコールなしという構成にすることへの挑戦を語るだけでなく、ファンは物足りないと思ってしまうのではないかという点も分かった上で、あえて挑戦したことなんだと語っています。
これがアンコールが当然あると思うなよ!みたいな言い方だと、また受け取り方も変わってくるじゃないですか。
学力テストでは最下位でおバカキャラが定着している石森ですが、インタビュー記事を読んでいると頭の良さを感じます。
空気を読みすぎるから積極的になれない一面もあったのかもしれませんが、欅坂46においてこういう調整役みたいな存在って本当に貴重な存在ですね。
まとめ
いいインタビュー記事でした。実際に公演を見ていないと分からない細かい解説もあったので、欅坂46のコアなファンじゃないとなかなか難しい内容かもしれません。
逆にコアなファンにとっては詳細な解説付きなのでお得な記事です。大阪と東京のどちから一方だけでも見ている人はイメージもしやすくて分かりやすいんじゃないでしょうか。
大阪と東京のアニラ全落という悲劇は共和国当選のために運を貯めておいたと思って共和国当選を祈ります!頼むよ、マジで(;^ω^)
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