1月21日(火)日向坂46加藤史帆が出演しているラジオ番組『レコメン』の放送で、4thシングルとなる『ソンナコトナイヨ』が解禁されました。
このブログを書いている現時点においてMVも歌番組での披露もされていないので、音源と歌詞を読んでの感想のみになりますが、楽曲の印象や歌詞の世界観をどのように感じたのかをまとめておきたいと思います。
坂道らしくない楽曲と言われる今回の『ソンナコトナイヨ』を通じて、日向坂46らしさが見えると同時にけやき坂46時代にあった欅坂46らしさは全くなくなりました。
『イマニミテイロ』『期待していない自分』といった欅坂46のような生きづらさを感じる楽曲とは完全に決別したグループの方向性を感じさせます。
そういった意味で4枚目は日向坂46を決定づける1曲になりそうです。
レコメンで初解禁『ソンナコトナイヨ』の感想は?
カップリング曲『青春の馬』は受検シーズンにピッタリな応援歌になっており、振り付けもTAKAHIROさんが作っていることからも日向坂らしい仕上がりを見せている曲です。
SNSでの反応を見てもかなり好評でした。
そんな日向坂らしい曲を差し置いて表題曲になった『ソンナコトナイヨ』ですから期待も高まります。
まずレコメンで解禁された『ソンナコトナイヨ』を初めて聞いた感想としては
・AKB48っぽい曲
・坂道グループらしくない曲
・4作連続のラブソング
・「ソンナコトナイヨー」をメンバーとファンと一緒に言ったら盛り上がりそう
の4点です。
ざっくりとした印象のみですが、初回ですからこんなもんでしょ。
なかでも一番印象強く感じたのはAKB48っぽい曲だということ。
日向坂46は王道アイドルグループと言われることがあります。
長女である乃木坂46から独自路線を進んだ次女欅坂46を経て、また三女の日向坂46で乃木坂46のような王道アイドルに原点回帰しているという見方です。
これは乃木坂46と欅坂46の対比をしたときに乃木坂46を王道と捉え、欅坂46と日向坂46を対比したときに日向坂46が王道になるので、王道で一致している乃木坂46の立ち位置に日向坂46も一周回って戻ってきたわけです。
ただ欅坂46は他に類を見ないアイドルなので欅坂46と比べるとみんな王道になっちゃうんですよ(;^_^A
乃木坂46は美少女が揃っている正統派アイドルであることはたしかですが、歌っている楽曲は『シンクロニシティ』『夜明けまで強がらなくてもいい』といった傷ついた人に寄り添うような曲が結構あります。
だから乃木坂46と欅坂46は雰囲気そのものは違いますが、楽曲で表現している世界観については同じ方向を向いている印象があります。
ですが、日向坂46は乃木坂46とも違うし、当然欅坂46とは全く違います。
王道アイドル日向坂46は一周回って乃木坂46に戻ったと思われていますが、実際にはAKB48まで回帰したと見るほうがしっくりきます。
AKB48っぽいという言葉の意味についても解説をしておきましょう。
ここでいうAKB48っぽいというのは今のAKB48ではなく前田敦子がセンターだった全盛期を指します。
『ポニーテールとシュシュ』や『ヘビーローテーション』といった曲はAKB48のファンでなかった人でも一度は耳にしたことがあるでしょう。
この時期はAKB48の楽曲の面でも全盛期とも言える時期なんです。
つまり『ソンナコトナイヨ』をAKB48っぽいと表現するときのAKB48は今から約10年前のAKB48を指していることになります。
10年の期間があるとはいえAKB48も日向坂46も秋元さんプロデュースのグループという点は一致していて、どちらも王道アイドルソングを得意としているのだから似たような曲になるのは当然の成り行きといえます。
10年前のAKB48も日向坂46も王道アイドルソングのクオリティは高いのでどちらが優れているという問題はないのですが、当時のAKB48を知っている人間からすると昔のAKB48の楽曲っぽいなと感じる人は多いと思います。
以前、爆笑問題の太田さんがテレビ番組でこんなことを語っていました。
「70年代のフォークソングがストレートに感情を歌詞にして歌うのに対して、80年代になってサザンが流行ったことで感情をストレートに歌詞にするよりも何を言ってるか分からなくてもサウンドのかっこよさを重視するようになった。それなのに90年代になって織田哲郎が『いつまでも変わらぬ愛を』と言い始めて、うちらはまたそこに戻っちゃうのかよって思ったんだよね」
これはサザンが善でフォークや織田哲郎が悪といった話ではありません。
80年代が最新の流行だと思って青春時代を過ごした太田さんにとって織田哲郎の歌詞は70年代を想起させ、時間を巻き戻されている感覚があったのでしょう。
この感覚がAKB48を見てきた人間にとっての『ソンナコトナイヨ』を聞いたときのAKB48っぽさなんだと思います。
日向坂46の『ソンナコトナイヨ』単体で見た時の良しあしではなく、AKB48っぽさを感じさせることで時間が巻き戻されている感覚があるんです。それは当然日向坂46らしさが見えないという意味にも繋がり物足りなさを感じる人が多かったのではないでしょうか。
『ソンナコトナイヨ』は何がソンナコトナイのか?
ソンナコトナイヨ
歌詞奈良美智が出てくるとは…w#ソンナコトナイヨ#日向坂46 pic.twitter.com/i4gUUfWBa4
— 佐々木ローリエ (@LICIFERMONINGS1) January 21, 2020
『ソンナコトナイヨ』とカタカナ表記にしてきたことからも意味深なタイトルです。
いったい何に対して僕はソンナコトナイヨと語っているのでしょうか。
歌詞を読んでいくと、
僕の好きな女の子がある日「奈良美智の絵かよ!Σ(・ω・ノ)ノ!」っていうぐらい前髪を短くしてきた。
彼女は切りすぎたことに周りにいじられて落ち込んでいる。
そんな彼女を見て「そんなことないよ。かわいいじゃん」と励ます。
僕はどんな君だって好きなんだよ。だって君じゃなきゃ僕は嫌なんだ。
といった感じで、どんな髪型であろうと彼女のことを好きでいるよというラブソングになっています。
前髪を切りすぎてしまった女の子とその子を好きな僕という、言ってしまえばそれだけのことで1つの曲を作ってしまうのだから秋元さんの想像力というのはすごいですね。
しかし、この物語にはそれ以上の深みは感じないんです。
『こんなに好きになっちゃっていいの?』では禁断の恋を歌い、『キュン』『ドレミソラシド』が表現した青春感という点ではこの2曲のほうが上でしょう。
歌詞を細かく見ていくと、好きな子をハグしたいという表現を使ってきますが、ハグのイメージって欧米式の挨拶だったり、家族への愛など恋愛というより博愛な印象があります。
好きな女の子に対しての感情となると、抱きしめたい、キスしたい、手をつなぎたい、とかそういった言葉のほうがしっくりきます。
もっと言えば高校生男子なんてその先の展開まで想像しているわけで、かわいい子をハグしたいと表現するのは本心を隠してかっこつけてる気がするんですよ。
村上春樹作品の登場人物みたいなやつはいらんねん!思ってしまいました(笑)
切りすぎた前髪を見て「奈良美智の絵だ」って突っ込めるセンスすごいと思う pic.twitter.com/S4v3awyAUM
— かわしー (@kawasssiii) January 21, 2020
奈良美智もキーワードになっていますね。
このキーワードによって彼女がどれだけ前髪を切りすぎたのか容易に想像できるようになりました。
それにしても歌詞に奈良美智が登場してきたのは驚きました。最初誰だよ!思いましたが、絵を見たらピンときますね。
彼女はショックを受けているのに奈良美智を例えに出されると笑っちゃいます(笑)その感じがこの曲を冒頭からポップにしてくれます。
誰もが認める美少女ではないかもしれないけど、好きな人は好きというのが奈良美智の絵と一致したんだと思います。
まとめ
歌詞や楽曲を総合的に見ると表題は『青春の馬』でよかったのかなというのが今の印象です。
レコメンでかとしがダンスを見てほしいと言っていたので、MVや歌番組でフォーメーションを見たらイメージが変わってくるかもしれません。
「ソンナコトナイヨ―」をメンバーとファンで合わせるところなんかもライブ映えしそうです。
人間は変化を嫌うので日向坂46らしくない曲が来るとにわかには受け入れがたい気持ちになるのは普通だと思うんです。
でもファンの想像の範囲内に収まるように楽曲制作しててもつまらないグループですよ。
初めて『ドレミソラシド』を聞いたときもNMB48っぽい曲だなと思ったんです。それが聞きこんでいくうちに日向坂46の曲にしか聞こえなくなってきて、今では自分の推し曲になりました。
だから『ソンナコトナイヨ』を日向坂46カラーに染めることができるのか、AKB48のリバイバルソングに留まってしまうのか、によってこの曲の印象は今後大きく変わっていくと思います。
ぜひ彼女たちの力で『ソンナコトナイヨ』を日向坂の色をつけていってほしいですね(*^▽^*)
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