作詞家でAKB48や乃木坂46のプロデュースも手掛けている秋元康さんが乃木坂46のメンバーと対談した時にこんなことを言っていました。
「好きなところを言えないってことは本当に好きだってことだよ」
これはメンバーの桜井玲香さんが乃木坂の好きな楽曲を挙げたときに好きということは分かるのに理由を語ることができなかったときです。彼氏・彼女の関係でも好きなことはたしかなのにうまく思いを伝えられないことがあります。
なぜうまく伝えることができないのかを含めて考えていきます。
好きな理由を最初は具体的に言える
アイドルが好きでいろんなアイドルを見ているので「まずアイドルのどこを見ますか?」という質問を受けることがあります。こう聞かれたら「ルックスです。」と答えるようにしています。最初は内面て見えないじゃないですか。
そうなると、一番分かりやすいのは顔が好みかってことになります。
どれだけ性格がよくても顔が好みじゃないとなるとなかなか好きにはなれないし逆に顔が好みで性格が合わなくてもなんだかんだ嫌いにはなれないってこともあります。
外見的な特徴は分かりやすいので好きな理由を聞かれたら回答するのも容易ですぐに答えられる。好きになりたての時期ってすべてが新鮮に映るし、いいところが目につきやすいというのもあると思います。
徐々に嫌なところが見えてくる
その人のことを知っていくと徐々に内面的な魅力を感じることになります。最初はとにかくよく見られたいの一心でいい人を演じていても付き合いが長くなれば必ず人間性が現れます。当然、いいことばかりではないでしょう。
かっこいい、かわいいというものだけじゃなく弱さ、ずるさ、かっこ悪さ、など理想とは違う一面を見ることになります。こういった一面を見たときに思っていたイメージと違ったと冷めるのか、それでも好きでいられるのかで、その先の付き合いが続くかどうかが決まってきます。
乃木坂46もすでに7年目を迎えているグループですからメンバーのグループに対する思い入れは相当強いものがあるので
いいところも悪いところも両方見てきたうえでやっぱり好きという結論の理由を語るには瞬時には難しかったのでしょう。
好きになると語れなくなる
最初は好きなところをいっぱい言える。それが内面を見ていくと語れなくなる。まるで好きな度合いが減っているように感じてしまうかもしれません。でもそうじゃなくかわらずに好きなことは間違いない。
じゃあ、なんで・・・
と思いますね。
この感覚を表現するのは難しいのですが、最初の頃に感じたかわいいから好きという表面的な部分だけじゃなく
かわいいところも、弱いところもカッコ悪いところも、ダサいところも全部分かったうえで好きとなるとどこが好きと言われても答えるのが難しいです。
例えば、仮面女子というアイドルグループに立花あんなという子がいます。この子のことを僕は好きで応援しているのですがどこが好き?と聞かれたら
かわいい、弱音を吐かない、パフォーマンス力が高い、センターとしての存在感
など挙げようと思えばいくでもあります。
でも、どこかすべてを表現できていない気分になる。この具体的に語れば語るほど表現しきれない気分をたどっていくと長年彼女を見てきていることもあってそういうかっこいいところだけじゃなくバカなところも、不器用なところも、全部ひっくるめて好きってことに気づきます。
そして、突き詰めると立花あんながいてくれるだけで幸せになれる。そんな感覚があります。
全部が好きは嘘じゃない
私のどこが好き?
と彼氏に対して聞くと
全部だよ
と答えが返ってきたとします。
この言葉を聞いて「全部ってなに!」って思う人も多いはずです。
でもこれは嘘をついているわけじゃなく、いいところも、悪いところも全部ひっくるめて好きって意味であって適当に答えてるわけじゃないんです。具体的にいえばいうほどこぼれ落ちてしまうから全部を包み込むように伝えただけなんです。
東京ドーム単独公演も終えてアイドルとしてはある意味登りつめた感がある乃木坂46に対して、秋元さんが語った
「好きなところを言えないってことは本当に好きだってことだよ」
という言葉は、今の乃木坂46のメンバーだからこそ伝わる言葉だったんじゃないでしょうか。
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