『嫌われる勇気』で注目されたアドラー心理学。そのブームに乗って多くのアドラー本が出版されました。
こういった心理学の本は読んでいる瞬間はとても面白いのですが実際に日々の生活に落とし込めているかというとなかなかイエスとはいえないのではないでしょうか。教養としては有益だとしてもやはり実生活に応用できたほうが価値があります。
そこでアドラー心理学を実際の企業に当てはめて考えていきたいと思います。
アドラーの『嫌われる勇気』
現在の就職活動は新卒売り手市場といわれ、条件のハードルさえ上げなければどこも内定が取れないという状況ではありません。しかし、内定が取れればどこでもいいというものではなく働きやすい会社であることは絶対条件でしょう。
かつて自分が正社員として働いていたところは1年で半分は退職してしまう会社でした。
研修もほどほどに現場に出されて現場で経験を積め!というのが会社の考え方だったのですが派遣という身分であったため未経験であることを受け入れ先の会社はあまり考慮してくれない。
そりゃあ、誰だって辞めたくなるわ・・・そんな感覚になったのを思い出しました。
大量に離職しても大量に採用すればいいというのは典型的なブラック企業の考え方です。ここではブラック企業を擁護するためではなくいい会社に勤めていたとしても辞める人は辞めます。企業の良しあしにかかわらず就職後すぐに退職してしまう人が陥りがちな思考を見ていきます。
本では
「ベーシックミステイク(基本的な誤り)」
という言葉が出てきます。
嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え [ 岸見一郎 ] 価格:1,620円 |
ベーシックミステイクを1つずつ見ると
・決めつけ
・誇張
・見落とし
・過度の一般化
・誤った価値観
の5つです。
例をあげるとすると
決めつけ:1つの失敗を自分には価値がないと決めつけてしまう
誇張:結果を出せない人間は必要とされていない拡大解釈をしてしまう。
見落とし:応援してくれている人がいたとしても一部の心ない言葉に応援してくれる人の存在が見えなくなってしまう
過度の一般化:1つのことで自分の全人格まで否定しまうこと。
誤った価値観:どうせ私なんて・・・といった自分の想像する価値観にとらわれてしまうこと。
厳密にいうと違う部分もあるのかもしれませんが
ともかく5つのミスがあるとだけ押さえてください。
もしあなたが会社でベーシックミステイクに陥っているとしたら気をつけてください。
例えば、どうせ私なんて・・・といった思考になったとします。
たしかに失敗が続いて上司に叱責された後はそういった気分になることもあるでしょう。しかし、失敗で見えなくなっているだけでうまくいっていることもいっぱいあるはずです。
指導者の能力不足かもしれない
そもそも仕事ができないのだって自分の能力の問題ではなく指導者の能力不足という可能性もあります。ミスをしたときに客観的な視点に立つのは難しいことですがベーシックミステイクの存在を知っているだけでも変わってくるはずです。
できれば自分のテンションをあげてくれる第三者がいてくれるといいですね。どれだけ理論が分かっていても現実にミスをしてしまったときには冷静でいられないものです。
そんなときに気休めでも構わないから声をかけてくれる人がいるだけでどれだけ救われることか。
自分がベーシックミステイクに陥っているなという実感があるときは、自分1人で悩まずに視野が狭くなった視点を広げてくれる誰かの存在がいることも重要です。
すべてを自分だけで解決するのは無理です。もっともっと他人を頼りながら肩の力を抜いてがんばってくださいね。
最近のコメント