阪神タイガースの金本知憲監督が辞任を発表しました。2018年最下位が決定した試合の直後に辞任を決断したといいます。2017年は中継ぎ投手陣の活躍もあり2位と躍進しましたが今年は自慢の投手陣も崩壊。4番候補だったロサリオも成績不振と奮わず残念な1年となりました。
金本知憲監督の3年間を振り返ります。
目次
金本知憲監督の采配は無能だったのか
11日付大阪本社最終版1面です。
阪神が本拠地最終戦を終えました。あいさつに立った金本知憲監督は「私の力足らず」とした上で、「こういう結果に終わってしまい、心よりおわび申し上げます」とファンに深々と頭を下げました。
#阪神 #大阪1面 #金本知憲監督 https://t.co/e4eD4aRlWU pic.twitter.com/igRmgxuwx9— 日刊スポーツ大阪本社 (@ONikkansports) 2018年10月11日
金本監督が甲子園最後の試合で見せた公開懺悔。人気球団阪神で最下位という結果の重さを誰よりも分かっていたのは金本監督本人でしょう。特に今年は本拠地甲子園球場での成績が悪かったことも最下位という結果につながったことも甲子園最後の挨拶では申し訳ないという気持ちでいっぱいだったはずです。
最下位という結果を受けて高まっていたファンからの辞任or解任要求。金本監督の采配は本当に無能だったのか、それとも今年の結果は投手陣の不調や新外国人ロサリオの不調が響いたのか。それぞれよかったところ、悪かったところをまとめていきましょう。
金本采配のよかったところ投手編
金本監督の采配としてよかったと思うところは若手の積極起用ではないでしょうか。投手陣だけを見ても才木、秋山、小野、望月、高橋遥投手など積極的に起用しました。
特に藤浪、小野、才木は将来のエースとして成長させるという方針のもと我慢強く起用していきました。しかし、現状の力量を見ると小野、才木に多くを求めるのは酷と言わざるを得ません。将来のエースとして起用するのはいいとして、藤浪、メッセンジャー、岩貞、岩田、秋山あたりがしっかりとローテで活躍した最後の枠を二人で争うのはありとしても藤浪の不調は響きました。
藤浪は球界を代表するエースとして期待している選手です。最低でも15勝はしてほしい選手なのに制球難からシーズンのほとんどを2軍生活。阪神をあまり見ていない解説者はもっと辛抱して使うべきと言っている人を見ますが、実際に藤浪の投球を見たら藤浪本人がパニックになっているのが分かります。2軍でしっかりと調整するのが妥当とみるのが当然でしょう。
藤浪の不調、岩貞、岩田の2人は多くを求められるほど実力がある選手ではないので想定の範囲内です。先発陣のコマが揃わない中で昨年活躍した救援陣まで乱れたら厳しいですね。そんな中でも能見の配置転換の成功と藤川球児の復活などなんとかやりくりしていた印象です。
金本采配のよかったところ野手編
待望の若手野手にも成長が見られてきた点も金本監督の功績といえます。
正捕手といえるまでに成長を見せた梅野、安定した成績を出せる糸原、一気にレギュラー獲得まで成長した北條、昨年20発のホームランを打った中谷、将来の4番候補大山など育成が難しい野手で成長が見られたのは大きいですね。
金本采配の反省点投手編
何よりも藤浪を復活させることができなかったのは致命的でした。とにかく阪神再建のカギは藤浪晋太郎の復活なくしてありえません。
中継ぎ陣については今年こそ昨年のような活躍ができませんでしたが、登板過多になりすぎないように登板を制限しながら使ってきただけに采配については文句はないんです。
やはりメッセンジャー、藤浪、秋山で40勝はしてほしい。この軸があってこそ救援陣の威力が増してくるんです。FAやドラフト、新外国人を含めて先発投手陣の再建は必須課題です。
立ち上がりに失点するケースも目立ち調整方法にも問題を感じました。
金本采配の反省点野手編
板山、中谷、江越、横田、高山、植田、陽川と1軍でちょっと活躍した後に伸び悩む選手がやたら多かった。これは歴代の選手を見ても傾向として表れていますね。人気球団だけにすぐに勘違いしてしまう。金本監督ですから気持ちを引き締める点では注意していたように思えますが、実際に伸び悩んだだけに勘違いしたんじゃないかと勘繰ってしまいます。
ヒットがなかなか出ないこともあったんでしょうが、長打力がないのに機動力もないので1点を獲るのに3本のヒットが必要な打線です。それじゃあ点は入りませんよ。
意外性を感じるような奇襲攻撃も見られないので相手としてはやりやすい相手だったでしょう。もっと攻撃的に、もっと積極的に仕掛けてほしかった。
その点で金本監督のやりたい野球とはなんだったのかいまいち見えなかったというのが正直なところです。
契約更新はなく辞任を発表
阪神・金本知憲が監督辞任!!本当の理由がこちら...【動画あり】 https://t.co/ViAq5aSQwO pic.twitter.com/xfNKzKGfZ9
— ちょびネタ (@tyobineta01) 2018年10月11日
監督就任時が2年契約。昨年オフに3年契約を結んだという報道がありましたが11日に辞任発表となりました。
もともと金本監督の発言には単年勝負という言葉があっただけに続投が規定路線だと思っていましたが、最下位決定という成績を重く受け止めたということでしょう。
球団のこれまでの発言をみると球団としては金本監督に続投要請をする予定だったようです。3年契約を結んでいたのであれば当然ですね。しかし、残留要請にも金本監督の意思が堅かったということです。志半ばでの辞任は残念であり、最下位という結果を見れば当然でもあり、複雑なところです。
次期監督候補はだれ?
金本監督の辞任で話題になっているのは次期監督候補です。
矢野燿大
ファーム日本一??????
おめでとうございます??
矢野監督を落とさないのwww
それも嬉しそう???? pic.twitter.com/P614CDrD9D— ふぉー?? (@maturika04) 2018年10月6日
2018年の2軍監督で、2019年は1軍ヘッドコーチへの就任が内定していた矢野燿大監督が最有力と言われています。何よりも2軍を優勝に導いた手腕と超積極的な采配による好成績は印象がいいですね。
和田監督、金本監督と阪神の監督は注目される球団のせいか積極的な采配に欠ける印象があります。もっともっと積極的に仕掛ける阪神タイガースを見てみたいという意味ではおもしろい野球をしてくれそうです。
現役時代から女性ファンが多い選手でしたし、阪神で活躍した選手が監督になる姿はやっぱり見てみたいものです。
過去のインタビュー映像を見ても選手への愛が強く伝わってくる人なので次期監督候補として期待しています。
掛布雅之
観客動員UPと得点力UPなら掛布監督やな?? pic.twitter.com/9CCfdlWqss
— 塩饅頭 (@nishinon7) 2018年10月11日
ミスタータイガース掛布雅之さんも候補に挙がっている一人です。
金本監督は鍛えて鍛えて強くしたいという方針、当時の掛布2軍監督は選手の自主性に任せた考える野球という方針であったために相性的に合わなかったんです。
金本監督が辞任した今となっては理論的には評価が高い掛布監督待望論が再燃してもおかしくない土台は整っています。実際に掛布2軍監督になった2年があったから今年のファーム優勝にもつながったというのもあると思うんです。
矢野燿大監督を最有力と見ながらも掛布監督というのもおもしろいですね。
岡田彰布
阪神タイガース
岡田彰布監督希望#岡田彰布 pic.twitter.com/scajBRVfch— チッキーマウス@えるからー T&Bs (@b_bull111) 2018年10月11日
2005年優勝時の監督といえば岡田彰布さんです。
実績もある監督で阪神OBとなれば待望論があってもおかしくないですね。
優勝した当時はJFKの全盛期ということもあって初回から送りバントで先制して逃げ切るというスタイルで勝ち星を重ねたわけですが、個人的にはちょっと地味な采配に見えました。
解説を聞いていてもぼやきが多いタイプですし、おもしろいタイプでないことはたしかです。
しかし、優勝すればそんな雑音が消えることも確かなので長らく遠ざかっている優勝をどうしても見たいんだという方は岡田監督でもいいのかもしれません。
まとめ
金本監督がやりたい野球とはいったいどんな野球だったのか。いまいち分からなかったというのが正直な感想です。
でも、藤浪の不調、ロサリオの不調という中でなんとかやりくりしながらやっていたので酷な面もありました。金本監督が育てた選手の芽はもう少しで花開くところまできています。次期監督にはなんとしても優勝を果たしてほしいと思います。
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