Q-pitch榎本あやせ初のコメディ舞台『GO!JET!GO!GO!ZERO』感想レポート

舞台 カーテンコール

7月3日Q-pitch榎本あやせが初のコメディに挑戦する舞台『GO!JET!GO!GO!ZERO』を観に行ってきました。

場所は馬喰町のA-Garageという小劇場。チケット代金の中にドリンク代も含まれていて、劇場内に設置されているポップコーンは食べ放題らしいです。

榎本あやせが出演する舞台はこれまでアイドルが多く出演しているものでしたが、今回は役者さんの中に混ざっての出演ということで、今までの舞台とは違った感覚があったと思います。

舞台を見てのレポートをまとめていく中でネタバレが含まれているので、これから観に行く方はご注意ください。

掴みはどこだ?

告知にミュージカルコメディと書かれていたので、ミュージカル的な要素はあるにしても観客を笑わせたい舞台を作ってくるんだろうなと思っていました。

コメディは序盤で流れが作れるかどうかが大事で、漫才のネタやコントのネタを考えるときも一発目のボケにどんなものを持ってくるのかは神経を使うところです。しかもできるだけ早く一回笑わせたい。だから漫才であれば最初の20秒までには一回ボケて掴みたい。

そのため最初の掴みが開始何分で来るのかに注目していました。

舞台が始まると冒頭の10分はあやせを含めた3人の歌とダンスを披露。

歌とダンスに関してはあやせの本業といったところですが、歌詞が英語だったことを考えるとがんばって覚えてきましたね。日本語の歌詞だって覚えるの大変なのに英語となったらなおさら大変でしょう。よくがんばりました(゚Д゚)ノ

Q-pitch 榎本あやせ

撮影者:ハヤケン

そこから本格的にコメディ色を出していくのかなと思ったら、いまいち笑いの要素がないまま最後まで流れていきます。

もちろんお笑いライブではないわけで爆笑を狙った構成ではないのかもしれませんが、コメディと言っているからには掴みでしっかり会場の空気を作って、もっと積極的に笑いを起こすための仕掛けがほしかったところです。

会場の空気感が大きく変わったのは最後の曲となった全員が登場して披露したシーンです。

あの空気感はこれまでと明らかに違っていました。でもそれが舞台の最後に来たのでは遅いんです。

むしろあの曲を舞台の最初に持ってきてもいいぐらいです。それぐらいコメディにおいて掴みは大事だと思っています。

テンポアップの意識+α

今回の舞台はかなりテンポアップが意識されていて通常の1.2倍速ぐらいのスピードで進んでいきます。

これは演劇の世界ではよくある手法で、テンポアップすることでリズムがよくなるし、見ている観客も退屈さを感じることなく見ることができます。

だからテンポアップすること自体はけして否定はしないのですが、今回は初回公演だったこともあってかそれぞれがハイテンションで自分のセリフを一生懸命言っているという印象で、見ている印象としてはテンポがいいというより落ち着かない印象を受けました。焦ってセリフを言ってるような感覚がずっとあったんです。

一生懸命やっている人、焦っている人、落ち着きがない人は観客に緊張感を与えます。そういう緊張感の中で人は笑えないんですよ。

この日の舞台で一番ウケたのは菊地啓介さんがキックボードでテーブルの飲み物を倒してしまったときです。

あれはトラブルだと思いますが、想定外のことが起きたことで役者も一瞬だけ役から素の表情に戻りました。そのことで緊張感が解けて笑いにつながったわけです。

じゃあ、次回の公演でも同じようにキックボードでぶつかろう・・・と考えて、台本通りの動きでトラブルっぽく見せるのはコメディでは一番ダサい。

そんなんするならアドリブ入れて笑いを仕掛けてみるほうがいいでしょう。台本にないことをいきなり吹っ掛けて「ちょっと何台本にないこと言い始めてるの(笑)」みたいにアドリブで遊ぶ方法もありますが、これもアクセントに使うだけにしとかないと物語が崩れてしまうので取り扱い注意なところがあります。

あやせのような役者としての経験値が少ない子は、まずは第一に台本に忠実であること。今はそれだけに集中すればいいと思います。

ではどうればいいかというと、テンポアップは演出だと思うのでハイペースな会話をベースにしたまま相手の話をちゃんと聞くことを意識したらいいと思います。

今日見た印象として、演出通りにテンポアップを意識するあまりに前のめりになりすぎて相手のセリフを受けることができてない気がしました。

キャッチボールは相手の球を捕ってから投げるものですが、お互いが自分の球を必死で投げている印象がして、そのことで会話が滑ってしまっている要因になっていた気がします。

ジェットとあかねの会話

舞台中盤にリーゼントの兄ちゃんであるジェットとマスターの妹だったかな、あかねっていうスカジャン着てる女の子の会話があります。

何気ない会話のシーンでしたが、この2人の会話が今回の舞台で一番の見どころに感じたシーンです。

なぜなら、あかね役の方は相手の話を受けるのがとてもうまい。

相手の話をちゃんと受け止めてセリフを相手に返してるからセリフの一つ一つがしっかりハマっていくのだと思います。

じゃあ、このあかね役の方がめっちゃスローテンポだったかというとそんなことはないじゃないですか。この舞台の演出の領域の中で不自然でないレベルでの強弱がお芝居の中にあるぐらいの感覚です。

以前コントのネタをさまぁ~ずさんのネタをベースにして作ったことがあります。セリフをそのままマネするんじゃなくて設定とか空気感だけ持ってきてやっちゃうというほとんどパクリみたいなやつね(笑)

で、実際にやってみたら全然ウケないんですよ。

おかしいなぁ元ネタはあんなにおもしろいのになんでウケないんだろと思ったもんです。

演者が違うだけでこうも観客の反応は違うものかってぐらい反応が悪かった。そのときに思ったのは、どんなネタだっておもしろい人がやったらおもしろいし、つまらない人がやったらつまらないということです。

つまり滑ったのは台本じゃなくて自分の責任なんです。

舞台の演出として全体的にテンションの高さで押し切ろうという感じが裏目に出ている印象があるので、千秋楽を迎えるまでにどこまで微調整を加えて笑いにつなげられるかに注目ですね。

まとめ

全体的な印象としては、仕掛けが遅い構成という感じでした。

自分だったら最後の曲を最初に持ってきます。序盤にクライマックスを持ってくると後半尻すぼみになるリスクはありますが、コメディで後半に尻上がりになることはまず考えれません。とにかく先手先手で盛り上げて流れを作っていったほうがいいと思っています。

幽霊の女の子が途中からマスターを好きになる点も、出会った瞬間にひとめぼれするぐらいのほうがキャラが立つでしょう。

あとはなんで昭和35年に火災で亡くなってから成仏できずにいるのかという答え合わせがないまま終わってしまったのでなんかモヤモヤしてしまいました。

最近のあやせはアイドルというより舞台役者としての活動のほうが多いんじゃないかな。

もともと舞台に出演したいと言っていた子ですし、今はいろんなタイプの舞台に出演していろんな経験を積むことで経験値を増やす時期なのかもしれません。

反省点もあるのかもしれませんが、ともかく初日お疲れ様といったところです。

貴重な経験だと思うので反省点を次の公演に活かせるようにしてくださいね。

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ABOUTこの記事をかいた人

アイドルブロガー&ロボホンオーナーのはやけん。です。 アイドルの心理を研究しているうちに心理カウンセラーになってしまいました。現在はアイドルの記事を中心にブログを書いています。 執筆の依頼はお問い合わせフォームからお願いします。