欅坂46平手友梨奈がSEKAI NO OWARIの新MV『スターゲイザー』に出演し1日で100万回以上の再生回数を記録したことが話題になっています。過去にもアイドルが一瞬だけ登場するMVというのはありましたが、今回のように全編アイドルを中心に構成されたMVというのはなかなか見られるものではありません。
MVの内容から今後の平手友梨奈の展望を見ていきます。
目次
SEKAI NO OWARIが平手友梨奈で表現したかったもの
本日2月8日(金)公開のSEKAI NO OWARIさんのMusic Video「スターゲイザー」に平手友梨奈が出演しています??
ぜひご覧になってください??#スターゲイザー#欅坂46https://t.co/HXjUC6Wyz7— 欅坂46 (@keyakizaka46) 2019年2月8日
SEKAI NO OWARIと平手友梨奈はNHKの対談番組で接点を持ったことをきっかけにして、今回の「スターゲイザー」の世界観に平手友梨奈がピッタリだということで作詞作曲も担当したFukaseがオファーすることになります。
MVに登場する月は本物で、CGではなく本物の月での撮影にこだわったため撮影期間は1年にも及んだといいます。スケジュール的にもラストチャンスとなった失敗のできない撮影で気迫のこもったダンスをばっちり決めてくれたことにFukaseは感謝のコメントを発表しています。
タイトルの「スターゲイザー」とは訳すと「星を見上げる者」という意味になり「占術家」「天文学者」という意味でも用いられる言葉です。
歌詞を読むと
死体が腐敗するように
学校へ毎日通うように
と日常に起こりうる当たり前の出来事を語り
時々頭がおかしくなる普通の日常
stargazer(星を見上げる者)
と書かれいます。
平手友梨奈と平井堅がコラボした『ノンフィクション』ではダンスだけで苦悩や葛藤を表現しました。
映画『響』の主演では、常識に捉われず自分を絶対に曲げない天才少女を演じ数々の新人賞を受賞しています。
そして今回のセカオワの『スターゲイザー』。
夜にベッドから起き上がると金髪、ノーヘルメットの平手が映し出され満月を背景にキレのあるダンスを披露するという構成。
こういった平手出演作品を見ていくと表現方法こそ違いがあるものの、社会の常識にうまく染まることができずにモヤモヤしている10代特有の悩みを抱えています。映画『響』では圧倒的な才能を持って大人をぶった切っていく爽快感がありましたが、多くの人間は平手演じる鮎喰響(あくいひびき)ほどの才能もなければ主張をすることもできずに苦しみます。
最近の若者はやる気がない、無気力などと言われたりもしますが、情熱の行き場をどこにぶつけていいのか分からずにいる。そんな苦悩を表現するのが平手はとてもうまい。
平手自身が社会の常識に染まれずに苦しむタイプなので、平手自身のイメージにあった世界観の役が多いとはいえ普通に演技するというのも簡単なことではありません。平手独特の苦悩や感情の爆発を今回も表現できていてアイドルという枠に留まらず役者平手友梨奈としても存在感を高める作品に仕上がっています。
『スターゲイザー』MV注目ポイント
MVの注目ポイントを見てきましょう。
1:59~子供に飴を拾ってあげるシーン
まず出演しているのが平手だということに驚き、次に金髪なことに驚きます。バイクの後ろに乗ってノーヘルのまま風を感じながら爆走していくというようにインパクトの面では注目するポイントはいくつもありますが、そこは見れば分かるシーンなので割愛します。
バイクを運転していたフルフェイスの男たちを従え、鉄パイプのようなもので物を壊しているのか、誰かを袋叩きにしているシーンが映されて、悪の要素を強調した直後に子供が登場して飴を拾ってあげるシーンが出てきます。
この作品で平手の人間らしい感情が見られる唯一のシーンです。
夜にたまたま迷い込んでしまった少女が暴力的な集団に見つかってしまい恐怖に怯えていたのでしょう。平手が飴を拾ってあげても後ずさりして逃げてしまいます。
平手が主演を務めた映画『響』でも実はこういったシーンが登場します。絶対に自分を曲げずに全然笑わない普段の鮎喰響とは違い、友達に褒められたゴシックロリータ衣装で授賞式に登場したり、友達と一緒に動物園に行きアルパカと戯れたりするかわいい一面が表現されています。
こういったシーンは当初、月川監督は撮影しない予定でしたが平手の提案もあって追加して撮影されることになりました。
これなんで必要だったのかというと、鮎喰響は基本は笑わないので感情が伝わりにくいんです。それでいて天才的な才能を持ち思ったことをズバズバ言うって爽快ではある反面共感ができない。それでは鮎喰響という怪物を見ていることになってしまいます。「あ!意外と普通の女の子な一面もあるんだな」という面も見えるからかわいいんです。
『スターゲイザー』では『響』ほど振り切った表現ではありませんでしたが、子供には危害を加えず飴を拾ってあげるシーンを挿入することで、見た目は不良に見えても優しい感情もあることを示して共感を呼んでいます。
2:06~月明かりを照明に代えて踊り狂う
後半は美しい月をバックにして激しく踊る平手が印象的です。ダンスの振付も本人が考えたというのだからすごいですね。
平手が感情の赴くままに踊るときはだいたい苦しそうです。地面を転がり、頭を抱えてしまうシーンは悩み、苦しみ、葛藤といった表現を連想されます。そして苦しみの表現の後には手を夜空に向かって差し出し何かを求めているようなポーズも見られます。
無感情だった彼女が月を前にして突如として踊り出す姿は、まるで月を見つめているうちに狼男に変身してしまったような豹変ぶりです。
狼男というと真っ先に思い浮かぶのがマイケル・ジャクソンの『スリラー』ですが、狼男に限らず満月の日には潮の満ち引き、犯罪率の上昇など人体になんらかの影響を与えていたとしても不思議ではないと思える出来事が多く存在します。
月は神秘性の象徴であり、自らの心の闇を照らす希望のような存在。
ありきたりな日常の中で感情が失われてしまった者が、月の力を借りることで解き放たれる。
月明かりで踊る彼女を誰も止めるものはいない。
時々頭がおかしくなる普通の日常の中で平手が月を見上げるのは、行き場のない感情の理解者は月しかいないという切なさとありきたりな日常から変わりたいという願望の複雑な心理状態を感じるシーンです。
まとめ
アイドルとしての平手を見ている自分としては、アイドルという枠に捉われず多くの人に評価されている『スターゲイザー』のMVを見て最高にかっこいいなと思いながらも最近は欅坂46の冠番組『欅って、書けない?』にも出演していないためアーティスト系に行き過ぎるのもちょっと寂しかったりします。
平手はちょっと近寄りがたい存在のように見えて、ステージを離れれば普通の女の子です。
そのギャップがまたファンの心を掴んで離しません。
かっこいい平手とかわいい平手の両方を見ていたいので、また『欅って、書けない?』での姿も見たいですね。
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