食欲の秋、読書の秋など秋の代名詞となるようなものは多く存在しますが
なかでも伝統的な行事として「十五夜」があります。
満月の日におだんごを備えてお月見をするという
なんとも風情のあるイベントなだけでなく
月にはうさぎがいて餅つきをしているという不思議な物語があります。
毎年の恒例行事でありながら
意外と詳しい意味については分かっていない十五夜について紹介します。
十五夜とは?2018年の十五夜はいつ?
十五夜という名前からつい9月15日が十五夜と勘違いしてしまいがちですが
十五夜は毎年日付が変わります。
2018年の十五夜は9月24日です。
十五夜とは旧暦の8月15日を指します。
旧暦が何か、新暦が何かを細かく考えるよりも
新暦は旧暦の1か月ほど遅れているので
新暦の十五夜は9月中旬から10月初旬ぐらいにくると覚えておきましょう。
2019年は9月13日
2020年は10月1日
が十五夜となります。
十五夜は満月じゃないほうが多い
十五夜というと満月の月とうさぎのイメージが強いですが
実は十五夜は満月じゃないケースのほうが多いんです。
2018年の十五夜9月24日、満月は9月25日と1日ズレています。
次に十五夜で満月を見られるのは2021年まで待たなければいけません。
とはいえ、満月との1日程度のズレは見た目ではほとんど分からないのであまり気にする必要はないと思います。
満月か、ほとんど満月かの違いは分からないですからね。
丸く綺麗な月に微かに雲がかかっている様子を見るのは毎年の楽しみにしています。
中秋の名月
旧暦での四季は
春:1~3月
夏:4~6月
秋:7~9月
冬:10~12月
となります。
つまり、旧暦の8月15日は秋のど真ん中だったわけです。
秋の真ん中だから「中秋」となります。
旧暦8月15日前後は満月か、満月に近い月が見えるので中秋の名月と言われるようになりました。
十五夜は豊作祈願
十五夜というとお月見をするイメージばかりが先行していますが
秋は収穫シーズンでもあったことからお供え物をして豊作祈願をするという意味もあります。
収穫をしたお米で作ったおだんごを月に見立てているのです。
(※地域によって丸ではないところもあるようです)
そしておだんごと同じく飾られるのがススキ。
こちらも稲穂をイメージしており
お米の収穫への感謝を表しています。
おだんごや稲穂にも豊作祈願や収穫祝いといった意味があるお供え物なんです。
では、なぜ月にお供え物をするのでしょうか。
それは竹取物語でかぐや姫が月に帰ってしまったと話があるように
昔の人にとって月というのは異世界という感覚が強く
神様にお供えしたものを食べるという行為によって
ご利益があると考えたようです。
月で餅つきをするうさぎ
十五夜というと、うさぎが餅つきをしているイメージもありますね。
子どもの頃は、どうやって見たら月にうさぎがいるように見えるんだ・・・
と不思議に思ったものです。
月にうさぎがいるという話はインドのジャータカ神話によるものという説が有力です。
さる、きつね、うさぎの3匹が人の役に立つために行ったことが
さるはくだもの、きつねは魚を持ってきたのに対して
うさぎは何も持ってくることができなかったため
自らを食べてもらうことで役に立ちたいと考え
火の中に飛び込みました。
帝釈天はうさぎの気持ちを汲んで
月にその姿を残したわけです。
なんともせつない話ですね。
月を見るたびに悲しい気分になってしまいそうで
月を見る目が変わってきそうです。
餅つきに関しては中国が由来で
月のうさぎは不老不死の薬を作っているようです。
そもそもなんで不老不死の薬を作っているのかについては諸説あります。
自らの命を絶ってまで役に立とうとしたうさぎは
不老不死に対して執着はなさそうな気もしますが
あまりにも説が多いのでとりあえず不老不死の薬を作っているとだけ押さえましょう。
この不老不死の薬を作っているうさぎが
日本ではお餅つきをしていると変わって現在に伝えられています。
まとめ
こうやって1つ1つ見ていくと知らないことがばかりだったんじゃないでしょうか。
子どもの頃からの伝統行事として見ていると
意外と深いことまで知らなかったりします。
しかし、大人になって行事の意味をしっかり考えてみると
十五夜に見る月も見え方が変わってくるんじゃないでしょうか。
今年の十五夜も晴れてくれるといいですね。
綺麗な月が見られることを期待しています。
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