阪神の鳥谷敬選手の連続試合出場記録が1939試合でストップしました。
現役選手ではトップ、歴代でも先日亡くなった衣笠さんに次2位の記録となります。
連続フルイニング出場記録を持っている金本監督は
誰よりも記録の持つ意味を分かっている監督です。
その金本監督が鳥谷選手の記録を止めたというのは意味があります。
ただ連続試合出場できるほどの実力者でありながら
監督の配慮で試合に出させてもらっているというのは
鳥谷選手の内心は複雑だったはずです。
記録の意味を分かっている金本監督だからこそ
出場機会がなくても納得できる。
試合を見ていて鳥谷選手のそんな思いを感じました。
鳥谷敬プロフィール
簡単に鳥谷選手のプロフィールを確認しましょう。
生年月日:1981年6月26日(36歳)
身長:180 cm
体重:80 kg
投球・打席:右投左打
ポジション:遊撃手、三塁手、二塁手
プロ入り 2003年 自由獲得枠
出身高校:聖望学園
出身大学:早稲田大学
高校時代には埼玉県の聖望学園を甲子園出場に導いています。
早稲田大学時代は同期にヤクルトの青木宣親選手、1年先輩にはソフトバンクの和田毅選手がいるなど早稲田大学の黄金期の中心選手として活躍しました。
プロの壁に苦しんだ1年目
2003年自由獲得枠で阪神に入団した翌年2004年は新人ながら開幕ショートでスタメン出場を果たしました。
しかし、前年2003年に阪神を優勝に導いた正ショート藤本敦士選手は3割をマークしたにもかかわらず翌年鳥谷選手を起用した起用方法には阪神ファンの中にも賛否両論ありました。
鳥谷選手を球界を代表するショートに育てる。
大型ショートの育成は阪神の長年の課題であったことは確かですが
実績ある藤本選手がいながら鳥谷選手を起用したことは
さすがに強引な起用方法に思えました。
打率も1割台と低迷。
その原因はインコースがさばけなかったからです。
アウトコースの球を左中間に打つ能力はあったのですが
インコースの球を引っ張ることができなかったため
徹底的なインコース攻めにあい苦しみました。
シーズン後半にはプロのスピードにも慣れたのか打率を持ち直し
最終的には.251でシーズンを終えています。
優勝に貢献した2年目
2年目は開幕から全試合ショートで出場。
2005年の阪神優勝に大きく貢献してくれました。
打撃にはまだまだ課題を残していた鳥谷選手ですが
守備の面で成長を見せ安定したのが大きいですね。
守備での精神的な負担が減ったことも影響してか
打撃でも.278と前年を上回る成績を残しています。
ただやっぱり期待値が高い選手だけに3割は打ってほしいと思っていました。
安定感があるといえばよく聞こえますが
どうも爆発的に量産することができないもどかしさを感じた年でもありました。
その後の阪神にとっても鳥谷選手が2年目から成長を見せてくれたのは大きいですね。
ここまで来ると1年目に藤本選手をどかしてまで
鳥谷選手を起用した意味が出てきます。
(結果論といえばそれまでですが)
連続試合出場は偉大な功績
1年ずつ振り返っていくと
時間がいくらあっても足りないので割愛しますが
鳥谷選手が記録した連続試合出場記録というのは本当に偉大な記録です。
13年も連続で試合に出続けるためには
ケガに強くなければいけない。
病気で試合を休むわけにもいかない。
相手投手の右左に関係なく起用されるだけの実力。
など能力が高くなければできない数字です。
試合に出続けるだけの体力があるということは
それだけ練習をすることができるということです。
寡黙に練習を続けることができる鳥谷選手のプロとしての意識の高さは見習うべきところがいっぱいあります。
感情を表に出すタイプではないので
気持ちが伝わらないタイプに見られがちですが
秘めたる闘志を感じるタイプです。
記録は止まってしまっても
ここまで積み上げてきた功績はすごいものがあります。
特筆すべきは出塁率の高さ
過去の成績を見ると打率こそ.280前後で終えているシーズンが多いものの
出塁率を見ると.400を超えている年もあります。
鳥谷選手のすごいところは出塁率の高さです。
解説者はよく積極性がないと言うこともあるのですが
長年やってきた鳥谷選手のスタイルは
じっくりボールを見極めるスタイルにあります。
毎年フォアボール数が多いことからも
打率やヒット数だけでは出塁する能力の高さが素晴らしいのです。
2018年は5月時点では打撃低迷で苦しんでいますが
もともと春先は調子が上がらないタイプです。
夏場にかけては調子を上げてきてくれることでしょう。
出塁率の高い鳥谷選手が1番や2番にいる打線もおもしろいですね。
まとめ
連続試合出場が止まったこと、成績不振などから引退もささやかれ始めた鳥谷選手。
年齢的な問題もあって少しでも成績が奮わないとメディアは騒ぎ立てます。
でも、雨の日も風の日もどんなときでも試合に出続けてきた
鳥谷選手のメンタルの強さを考えたら
この程度の逆境はたいしたことないはずです。
2年目の大山選手のために昨年まで守っていたサードから
セカンドにコンバートすることを受け入れるなど
ベテランながらチームのことを最優先に考えた思考はすごいです。
2018年阪神タイガースが優勝するためには鳥谷選手の力が必ず必要になってきます。
まだまだ老け込む年齢ではないでしょう。
シーズン後半に調子を上げてくる鳥谷選手の活躍を期待しています。
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