11月21日にアメリカのハワイで行われた全米大学バスケットボールの大会「マウイ招待」において、強豪校で知られ来季のNBAドラフト候補が多数在籍しているデューク大学をゴンザガ大学が下し優勝するという波乱が話題になっています。
ゴンザガ大学勝利の原動力となったのは現在のバスケットボール日本代表でもある八村塁選手の活躍です。3試合で67得点をあげ大会MVPにも輝いたことで、多くのメディアが2019年NBAドラフトにおいて八村塁選手が1巡目指名されると予想しています。
そんな八村塁選手とはどんな選手なのかプロフィールも含めて紹介していきます。
八村塁のプロフィール
ゴール下での存在感やペイント付近のシュートの安心感。頼もしすぎます!|チームケミストリーが向上し強豪イランを撃破、八村塁「やっていてすごく楽しい」#AkatsukiFivehttps://t.co/xLLlQla8Wf pic.twitter.com/anBHpYXFFl
? バスケット・カウント (@basket_count) 2018年9月17日
名前:八村塁(ハチムラ ルイ)
生年月日:1998年2月8日(20歳)
身長:204.5cm
体重:106kg
ウィングスパン:217cm(両腕を左右に水平に広げたときの片方の腕の指先からもう片方の腕の指先までの長さ)
足のサイズ:34cm
出身地:富山県
現在はゴンザガ大学の3年生としてアメリカの大学に在籍している八村塁選手ですが、父がベナン人、母が日本人で宮城県明成高等学校に通っていた日本人選手です。ルックス的にはハーフとはいえ外国人ぽく見えるので「日本語うまいな」と言われることも多いのですが、そもそも日本で生まれ育った選手なので日本語がうまいのは当然ですね。
高校時代は1年生から活躍したスーパースターで204㎝の体格を持ちながらスピードとパワーを兼ね備えていて、さらにディフェンス能力も高いというのだからすべての能力において高校生離れした選手でした。
そんな八村塁選手ですからバスケットボールの本場NBAを目指すためにアメリカの大学を進学先に選んだことは当然の成り行きではありますが、ネックとなったのは語学力。
以前、八村塁選手の授業風景を密着した番組で英語の授業がありました。その際に、先生から日本語を英語に訳するように言われたときもまったく答えられませんでした。日本で生まれ育ったのだから英語が話せないのは不思議なことではないのですが、やはりルックスが外国人に近いため英語が話せて当然と見られてしまうのもつらいところですね。
そんな語学力も高校2年から本格的に学び始め大学3年になった現在ではインタビューにも平然と英語で答える八村選手の姿があります。1、2年のときは八村選手の実力からしたら不本意な成績に終わってしまったのも語学力を含めた環境の変化への戸惑いが大きかったところが、ようやく慣れてきてチーム内でのコミュニケーションも取れるようになってきたというのが3年になってからの大躍進につながっています。
八村塁を来シーズンNBAドラフト1巡目指名と予想!
どれだけすごいことを成し遂げたのかということが伝わるかが気になります。日本の至宝の成長が止まりません!|全米に轟くアップセットの立役者、八村塁に芽生えたベストプレーヤーとしての矜持https://t.co/6DatwOI0jX pic.twitter.com/DvCuaMSqMa
— バスケット・カウント (@basket_count) 2018年11月23日
3年になってからの躍進で来シーズンのNBAドラフト1巡目に指名されるのではないかと言われていた八村塁選手。今回のマウイ招待決勝で戦ったデューク大学にも来シーズン1巡目指名が予想される選手が多数存在する中で、八村塁選手がMVPを獲得したのだからメディアでは1巡目指名は確実という報道に変わってきました。
ここでNBAのドラフトに詳しくない方のためにドラフト制度についてお話ししましょう。
そもそも八村塁選手は3年生なのになぜ4年生を迎えるはずの来シーズンにドラフト候補に挙がっているのか不思議に思いますよね。
これは複雑なNBAのドラフト制度にあります。
NBAのドラフトでは高卒から直接ドラフト候補になることはできません。ドラフト候補になるためには19歳以上じゃないとダメなんです。ドラフトといえば日本のプロ野球をイメージしてしまう日本人にとっては不思議なシステムに感じますが、こういったシステムになった経緯として高卒OKだった時代に多くのチームが有望な高校生を指名してしまいNBA全体のレベルが下がってしまったことから作られたと言われています(真相は分かりませんが)。
だからどれだけ将来性のある選手でも一度大学に入る必要があります。しかし、日本のプロ野球ドラフトと違うのは大学に入ったからといって4年間待たなければドラフト候補になれないというわけではないんです。
大学1年生のうちに19歳を迎えるので翌年にはドラフト候補にエントリーすることも可能です。これをアーリーエントリーといいます。
今回マウイ招待で八村塁選手が下したデューク大学には、来シーズンNBAドラフト1巡目指名が予想されている1年生が3人もいました。それだけ全米のスーパースターが集まったデューク大学に勝ってしまったのだからいかにゴンザガ大学の勝利が番狂わせだったかがお分かりいただけるのではないでしょうか。
八村塁選手もアーリーエントリー制度を利用してのNBA入りが有力視されています。大学は中退扱いになってしまいますが、これだけ期待が高まっているところでもう1年待つ必要もないのでエントリーするのはほぼ確実といえます。
さらにこれだけNBAのドラフトにかかることが注目される理由として、NBAのドラフトは2巡目までの指名しかありません。
つまり、1巡目で30チームが指名×2巡ですから合計60名しか指名されないんです。
日本のプロ野球選手の場合は、契約金こそ1億円だったとしても年俸は1500万円あたりが相場です。しかし、NBAのドラフトで指名される選手は初年度から年俸3億円とかそういうレベルでの契約が主流です。ドラフトの会場もさながらアカデミー賞の授賞式を思わせるほどの規模で行われ、NBAのドラフトで指名されるということは狭き門であると同時に指名された選手は一躍スーパースターになる瞬間でもあります。
八村塁が日本人3人目のNBA選手へ
??試合結果????
八村塁、チーム最多24得点で逆転勝利に貢献、ゴンザガ大が決勝戦へ進出https://t.co/0ypCjqoFHV
ゴンザガ大がアリゾナ大に91-74で勝利し、八村は約31分間の出場で24得点6リバウンドをマーク。決勝ではデューク大と対戦します。#UnitedWeZag pic.twitter.com/PoYPyU1vqh— ??バスケットボールキング?? (@bbking_jp) 2018年11月21日
過去に日本人選手でNBAの舞台に立ったのは田臥勇太選手が2004年に4試合出場、先日2人目のNBA選手となった渡邊雄太選手の2名のみです。どちらの選手もドラフトからの入団ではありません。それだけに今回のバスケットボール界としても八村塁選手のドラフトからのNBA入りは日本人初の快挙として注目されています。
204㎝の体格はNBAでは特筆して大柄な選手ではないにしてもけして体格的な不利を感じることはないでしょう。攻撃のスピードやテクニックはもちろんのことディフェンス能力にも評価が高い。ここまででも十分すごいのに最近のNBAのトレンドである大柄な選手も積極的に3点を狙っていくスタイルを挙げ、3ポイントの能力が課題と言われてしまうのだからNBAがいかにレベルの高い場所なのかが分かります。
そんな八村塁選手に対してNBA選手となった渡邊雄太選手は「Be great(素晴らしい)」と称賛しています。
今夜の報ステスポーツは、さらにもうひとつ!
男子バスケットボールで日本期待の逸材 #渡邊雄太 選手がアメリカ・NBAのチームと契約を結びました。
身長は2m6cm!(ちなみに隣の熱盛アナは1m81cm、中々のスタイルのはずなんですが…)
一体どんな選手なのか…きょう、話を聞いて来ました! pic.twitter.com/NCWAgm8MEw— 報道ステーション スポーツ (@hst_sports) 2018年7月23日
長年男子バスケットボール界の課題とされてきた体格差も渡邊雄太選手、八村塁選手の台頭によって解消されつつあり、二人の存在のよって日本代表は劇的に強くなっています。互いの能力を認め合う姿もかっこいいですね。
NBAの舞台で得たものを日本代表に還元してくれる。そんな時代がいよいよやってきたのです。八村塁選手以外にもアメリカ留学中の選手はいます。今後日本人選手がNBAのドラフトにかかることも珍しくない時代がやってきそうですね。
まずは八村塁選手がNBAドラフトで指名されるパイオニアとなってくれることを期待しています。
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